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2014年8月号  page1  page2


「ゆっくりと」
タイ 坂本朋子

派遣式に参加して下さった皆さんと  蒸し暑いタイからごあいさつします。こうして再びこの地に戻ってくることができたのは、多くの皆様の熱心な祈りのおかげです。タイに出発する一週間前の六月八日には、菅家先生をお迎えして、母教会の高根沢キリスト教会で派遣式をして頂き、参加した皆さんと共にタイ宣教のために祈りを捧げました。六月十四日、期待と喜びと寂しさの入り混じった思いを抱いて成田からバンコクへ発ちました。空港では、かつてランパーンで一緒に働いていたマンディサ師が迎えに来てくれていました。彼女は現在バンコクで、サーブアジア(短期宣教プログラム)のコーディネーターとして働いています。現在私はOMFのタイ語学校があるロッブリーにいます。久しぶりに戻ってきたロッブリーは、新しいレストランやカフェがオープンし、以前よりも若干発展しているように見えますが、人々の雑然とした暮らしぶりや街並み、相変わらず多い野良犬など、変わらない風景も目に入ってきます。
 
マンディサ師と久しぶりの再会  こちらに帰ってくる前から心の準備はしていたつもりでしたが、タイ国内の変化、OMF内部の変化、チームの変化など、たった二年少しでこれほど多くの変化があることに少々圧倒されています。タイ語もそんなにスラスラっとはいきません。派遣先もまだ決まっていないので、他の人からは「どこで働くんですか?」と同じ質問をされます(分からないからロッブリーにいるのですが)。焦る思いがじわりじわりと湧いてきたちょうどその時に、OMFタイの年会に参加しました。久ぶりに参加する年会で、私のために祈ってくれていた同僚たちから温かい歓迎を受けました。今回のゲストスピーカーは、トニー・ホースフォール師。かつてマレーシアでOMF宣教師として働き、現在は母国イギリスを拠点に、様々な修養会で用いられている方です。今回のメインテーマは「仕える者としてのミニストリー」ということでしたが、師は「スローダウン(速度を落とす)」ということを何度も口にしていました。仕える者として生きるために、私たちは神の細くかすかな御声を聞き、その声に従って歩まなければならない。けれどもし私たちがいつも急ぎ足で駆けずり回っていたら、どのようにして神様と波長を合わせ御声を聞き分けて歩むことが出来るだろうか、ということでした。焦らずゆっくりと歩めるようにお祈りください。

【祈りの課題】
1.焦らず自分のペースで言葉を学んでいけますように。日々祈りと御言葉から学ぶ時間を優先することができますように。
2.派遣先を決めるためにいくつかの候補地を訪問していきます。御心を悟ることができますように。


「代行の務め」
日 本 ディアスポラ伝道 横山好江

 この宣教ニュースが皆さんのお手許に届く頃、夫と私はヨーロッパ・キリスト者の集いのためベルギーに居ることでしょう。何カ月も前から祈りの課題に挙げさせていただいていますので、祈りの翼に乗せられて、かの地での奉仕に進ませて頂けることを心から感謝します。いつもお祈り頂き、ありがとうございます。
 
 六月は代行の務めが増えました。誰かの仕事を一時的に担うというのは緊張します。当人と同じようにはできないし、そう期待されてもいないのですが、何をどこまでやればいいのか、事前の確認が大切だと思わされます。ケンプ部長(在英)が三週間の休暇に入り、通常だったら彼女の代行をするソーテバーグ師(在米)は急遽、教会巡回に入ったため、ケンプ部長の休暇中は私が代行することになりました。三週間の休暇というのは、日本人はなかなか取れず、考えられないかもしれません。私達夫婦がイギリスで在英邦人伝道の奉仕をしていた時、二週間の休暇を勧められました。日常の奉仕の疲れを取るのに一週間、回復・休養・充電のために一週間、というわけです。ケンプ部長はリウマチがありながらも、その症状が出始めて診断される以前と同じようにバリバリ働いています。また主の前に静まる時間を定期的に充分に取って、自らの霊性と奉仕のため、ディアスポラ伝道部全体のために、しっかりと主の御声を聴きます。機会ある毎にその証しを聞き、いつもの熱い、献身的な奉仕の原動力はそこにあったのかと感心します。私もまとまった休暇を取るように勧められるのですが、今は志木教会の伝道師、および泉幼稚園の副園長という日々の立場がありますので、願ったとしてもなかなか思うようにはいきません。「緊急時は携帯電話で連絡していい」と言われるのですが、自分が部長の立場だったらそれは無い方がいいので、緊急事態が起こらないようにと祈りつつ、出来ることをさせて頂きながら日を重ねています。代行の務めは今までに何度か経験しているので、事前の確認もお互いによくできました。「この件については、この人に」という点が増えたので、さらにやり易くなりました。
 
 また今回は、ソーテバーグ師が留守中の分をほんの少し担うことになりました。(大部分はアメリカのプルーエット夫妻が代行。)これは初めてなので、「北米ではこうかしら」と想像力を働かせてやっています。
 
 十月二十日から一週間、三年に一度のディアスポラ伝道部全体修養会がアメリカであり、その準備が進められています。その前に十七~十八日、在欧日本人宣教会主催のブリッジ・ビルダー・リトリート(帰国者フォロアップのための修養会)が東京で予定されています。主の導きをお祈り頂けると幸いです。

【祈りの課題】
1.アフリカの中国人対象の働きのために、ナイロビに常駐する1家族に、7月に2家族が加わりました。生活に慣れ、よいチームワークが与えられますように。
2.10月20日から1週間、3年に1度のディアスポラ伝道部全体修養会がアメリカであり、その準備が進められています。その前に、17~18日と在欧日本人宣教会主催のブリッジ・ビルダー・リトリート(帰国者フォロアップのための修養会)が東京で予定されています。主の導きをお祈りいただけると幸いです。


「恨み三十年、躊躇四十年」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

バプテスマ前の誓約をする4人の兄弟たち  瞬きのうちに過ぎ去ったタイでの五ヶ月は、実にさまざまなことがギュッと詰まっていました。

 こんな話しを聞いたことがありますか?「三十年前に私を傷つけた宣教師に謝罪の手紙を送って来るように告げ、礼拝で読み上げよ。」タンマジャーリク教会の創立メンバーの男性がそう要求しました。同教会はシロアリに食われた古い建物を壊して、新しい会堂を建てることを祈っていました。八十歳を超えるこの男性は、「謝罪文が来なければ新会堂を建てさせない」と言う。で、教会は私たちがオーストラリアから帰り、引退した宣教師に謝罪文を要求するのを待っていました。

 早速、老人とその家族から始め、三十年前の事情を知る人々からの聞き取り調査を始めました。さんざん躊躇した末、先輩宣教師に手紙を書いてもらうようにお願いしました。同時に、ある人から証言を聞くために老人と共に出かけました。インタビューをミェン語で記録しましたが、書き洩らしたこともあります。

 引退後、母国で奉仕をしていた元宣教師は、私からのメールに驚いたものの、要望に応えてくれました。和解を求める平安で柔和な手紙でした。礼拝後、その朗読を聞いた老人は、内容が謝罪でないことに怒りました。怒りの矛先が私に向けられ、「あなたも『謝罪を要する出来事だった』という証言を聞いたはずだ。書いていなかったのか?宣教師だから宣教師の肩を持つのだな?」との詰問。「来週日曜、この会堂をどうするか言ってやるから待っていろ!」と言い捨てて出て行く。会衆は混乱。

 その週のうちに、私は取材をやり直しました。三者それぞれが言っていることの間に微妙な食い違いと全く逆のことが含まれています。次の日曜日、私は書き漏らしていた部分を報告し、「直接目撃していない私は、三人とも本当のことを言っていると信じます。食い違っている点は祈って全知の神様に委ねましょう」とまとめました。「さて、兄弟。この会堂をどうしたいか、皆さんに言ってください」と招くと、「言うことなんか無い。俺はもう争わない。取り壊して新会堂を建てよ」と言う。戦々恐々としていた会衆はガクッとこけてしまいました。

 印刷しないと合意していた引退宣教師からのメールを、老人はどうしても欲しいというのであげました。「この手紙、大事にするよ。誰にも見せない。あいつとわしは長い友達なんだ。ヤオヂャム(有澤)も俺のために走り回ってくれてありがとうよ」と老人はニコニコ顔。後日、彼から会堂献金が届いたとのこと。

 論文のための言語調査をそっちのけで奔走しました。しかしこういう牧会上のかかわりが、普通の言語学者には入手しにくい言語資料を提供してくれます。また、三十年も人を赦さないことも問題ですが、現地の言葉の機微を理解して話すことができるまでにならなければ、躓きをもたらしてしまうこと、身につまされる警告でした。兄弟のたましいを思いやり、糾弾に対して謙遜に応える先輩からも教えられます。言葉と文化の学びに終わり無し。(達朗)

40年迷った後のバプテスマ 「サイマー(祭司の奥さんの意)、ちょっと相談が。うちの主人が、洗礼式の日に、こっそり若者たちに混じって受けたいと言ってるんです。いいですか?」「はぁ?」あと四十日ほどで洗礼式を迎えると言う日曜の午後、ニィンフッ姉がこっそり私に尋ねてきた。「紛れてって・・・?」「主人が言うには四十年、いい加減にイエス様を信じてきたけれど、洗礼を受ける決心がついた。でも、すでに洗礼準備会をしている青年たちにはついていけない。学びを省略して、脇のほうからそそくさと水に入りたい、と言ってます。」

 まず、本人から希望を聞くことにした。ご主人、スウツァンさん曰く、「私が先にクリスチャンになって、この人(奥さんを指差して)に伝道して、この人もクリスチャンになったんだよ。でも、信仰まじめにやると、危ないことがポコポコと起こるんだなぁ、これが。だから、まぁまぁな信仰のほうが平穏無事に過ごせるだろう、と思って洗礼を受けずに四十年来た訳だな。でもなぁ、今若い子たちが準備しているのを見て、羨ましいなぁと思ってね。ただ、頭が良くないから学びは無理だ。それなら皆が水に入るとき、こっそり脇から入って洗礼を授けてもらえないかと思ってるんだけど、どうかね。」

 それならば、と青年たちとは別に、スウツァンさんの家で一対一で主人との洗礼準備会が始まり、休まず続けました。明確な信仰告白をし、六月八日の洗礼式では、こっそりでは無く堂々と証をし、喜びのうちに洗礼式に臨みました。他に男子青年二人、他教会から一人が合同でバプテスマ式が行われました。(たまみ)

【祈りの課題】
1.ミェン族の3人の牧師が4件の会員の懲戒処分を執行しています。(2件を同時に扱っている牧師が1人。1人は無経験。)難しくデリケートなケースを扱っていますので、聖書的な指導と会員の真実な悔い改めと回復のためお祈りください。オーストラリアからの電話による牧師へのアドバイスも用いられますように。
2.ミェン語総合文法書作成のため、タイで採集した多数の良い言語資料を正確にすばやく分析できますように。午前中に執筆、午後に分析、夜に参考文献読書という生活を、運動も含めて規則正しくすることができますように。


「関西デピュテーション終了」
シンガポール 佐味湖幸

京都で久しぶりに開かれた宣教祈祷会にて  三月末に帰国して、ほどなくして始まった二か月半にわたる関西でのデピュテーションが終わりました(六月二十日現在)。私の派遣団体である福音交友会を始め、伺ったほとんどの教会がよく知っている教会でしたが、今回初めて伺うところもありました。また、関西にある三つの神学校に伺い、大阪、西宮、そして京都のOMF祈祷会にも参加できました。京都の祈祷会は諸事情で昨年閉じられましたが、私が帰国しているので是非にと臨時に開かれたものでした。

 どちらでも温かい励ましの言葉とお交わりを頂き、力を頂きました。特にうれしかった言葉は、「私たちの教会も宣教師を送り出す教会になりたいです。」「これからも、佐味先生の宣教のパートナーとして励みますから。」「宣教師と一緒に、一緒の方向を向いて世界宣教にたずさわって行かなければ」などなど。

 そして何よりも嬉しかったのは、以前日本で宣教啓発・動員の働きをしていた時、一緒に宣教旅行や宣教大会、また宣教祈祷会に参加した青年たちからの近況です。「アジア宣教に向けて具体的な準備を進めます。」「神様が外堀を埋めてこられた感じです。召しがはっきりすれば、仕事を辞めて来年神学校にいくつもりです。」「フィリピンの神学校に行きます」などなど。

 それぞれの教会、教団で難しい課題や問題もあるようですが、宣教の神様は確かに働いておられます!ハレルヤ!

【祈りの課題】
1.8月の関東巡回(第2週目は関西に戻って福音交友会のキャンプに参加)、9月前半の北海道巡回の祝福のために。
2.日本の教会が現状を見て行き詰るのでなく、神様を見上げ、神様に期待して日本宣教、世界宣教に取り組んでいくことができますように。

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