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2013年8月号  page1  page2


「ベテラン」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

札幌OMF宣教祈祷会  六月中旬、二週間ほど一時帰国し、双方の母たちと時間を過ごした。父の信仰告白、受洗、召天の一周年であり、母と妹ともゆっくり話すことができた。宿泊は北海道聖書学院のゲストルームにお世話になった。ここ十年ほど帰国のたびに、この施設を我が家のように使わせていただいているご配慮に感謝しています。
 神学生、教師のみなさんとの食卓での交わりは格別な味がある。お腹が満たされると身も心もリラックス。楽しく会話が進んだ。時間が限られているチャペルではお分かちできないことがいっぱいあり、食卓がその証しの場となった。この中から宣教師として召される方が起こされますようにと祈りつつ、タイへ戻って来た。
 溜まった疲労から胃の調子がよくなかったが、北海道で少し休むことができ、オーストラリアへ出発の準備となった。神様の方法でこのように導かれてきた。皆様のお祈りを感謝いたします。(たまみ)
ドロシー・ウーリック師  オックスフォードやケンブリッジ辞書によると「ベテラン」とは二つ意味があって、一つは「ある仕事や活動の分野で長い経験を有する人」、もう一つはアメリカ英語で「歴戦の従軍経験者」。二人のベテラン宣教師をご紹介します。
 六月末、ドロシー・ウーリックという看護士が九十歳で召天しました。一九五一年頃から、北部タイのパヤオ県(当時はチェンライ県)の国連難民キャンプがあったチェンカムという小さな町でミェン族、モン族、北タイ人のため診療所を開いていました。ちょうど今日、私たちがシンガポール経由でオーストラリアに行くこの日に、彼女の葬儀式が行われています。文字通りタイに骨を埋めるのです。医療宣教師としても、キリストの兵士という意味においても、六十二年のベテランでした。
 先月倒れてから多くの人たちがドロシーの介護をしました。同僚の宣教師(ミェン語識字教育者)始め、彼女が育てた何人ものモン族の孤児、タイ人の孤児とその伴侶たちがずっと付き添いました。
 私たち夫婦も何度か診療所そばのお宅に泊めていただいたことがありました。独身の看護婦さんにこんなにたくさん子供がいるのか、と微笑ましく、また暖かな場所でした。ここの雰囲気はどこかで味わったことがある、と思い返すと、名前が挙がってきます。中央タイでOMFが始めたマノロム・キリスト教病院、チェンマイのタイ・キリスト教団のマッケーン診療所(ハンセン病リハビリ)やチェンライ市の同教団オーヴァーブルク病院、ラオスの国境に近いチャンクラーン町は南部バプテスト教団の麻薬更生施設。これら全て、一歩門の中に足を踏み入れ奥へ歩んで行くと、外とはまったく違う開放感と平安を味わうことができます。世界中の祷援者たちによる長年の祈りが注がれた場所の特色です。そこで奉仕する人たちも祈りを実践し、祈りを教える人たちです。
 ウーリック師の診療所の敷地内に、山岳民族の子供たちをタイの学校に通わせる生徒寮があり、多くのミェン族、モン族、北タイ人の子供たちがそこで信仰を持ちました。牧師になった人も何人かいます。そこ出身のミェン族の牧師は寮生活当時、素行不良で退寮させられる寸前でした。今はラジオ牧師、聖会講師として、ミェン族のいる数カ国で豊かに用いられています。祈りのベテランたちの賜物です。
 もう一人のベテラン。タイ宣教の大先輩、森本憲夫先生・豊子先生(単立タイ宣教師)から著書『恵みと憐れみによって』(タイ宣教五〇周年記念の証)を頂きました。神様の御業(技)が存分に表わされており、またご夫妻の主に頼りきったお姿が記されていて、大いに教えられ御名を崇めました。とてつもないことを淡々と飾りなく書いておられるところに、畏敬の念が沸き脅威すら覚えます。
 森本先生が六〇歳を超えたころ、ミェン語を学び始めたばかりの私たちを村に訪ねてくださったことがありました。頭のてっぺんから全身埃まみれになる道を登って来て、摂氏五度くらいの水で水浴びをする生活をニコニコとして楽しんでおられました。「ああいうふうになりたいな」と思わせるベテランです。
 ベテランは便宜上定められた定年を超えてなお勤勉に働き、勇敢に戦い続けるからベテランになれるのですね。日本から祈りのベテラン、救霊のベテラン、弟子訓練のベテラン、異文化伝道のベテランになる人達が送られて来るようにお祈りします。(達朗)

【祈りの課題】
1.タイでの我が家の隣に住むムワンツォウ婦人伝道師と彼女の仕えるリムターン・ミェン教会のためにお祈りください。この小さな群れは10年近くの祈りの結果、会堂建設用地を寛大な地主さんから無料でいただきました。しかし村議会から会堂建設を反対されています。解決策が与えられますように。
2.タイからアメリカや韓国など諸外国へ違法労働に出かける自称クリスチャンのミェン族が多くいます。中には教会役員をしていた人たちもいます。彼らが悔い改めて帰国するように、または早いうちに取り締まりを受けるように、また母教会が不法労働者からの「献金」を拒否するように祈ってください。


「南半球で何が起こっているのか? −その2−」
シンガポール 佐味湖幸

ケープタウン在住の引退、帰国中現役OMF宣教師たちと  五月後半、秋を迎えた南アフリカ共和国は美しかったです。
 昔、喜望峰を回ってたくさんの船がアジアとヨーロッパを行き来しました。その当時、イギリスからのOMF(当時はCIM)の宣教師たちが長旅の途中、ここケープタウンに降りて、諸教会でアジア宣教の必要を訴えたのが、この国のアジア宣教へのきっかけとなったようです。過去、OMFの国際的リーダーとして活躍する働き人を何人も送り出してきました。現在も二十名近くが各フィールドで活躍しています。ケープタウンでは引退した宣教師の方々とも何人かお会いしました。今もアジア宣教のために熱い祈りをささげて下さっています。
ニューホライゾンズチーム  その後、ヨハネスブルグに移動して、十三か月ぶり第二回目のニューホライゾンズのチームミーティングを行いました。毎日のように電子メールで情報交換をし、頻繁にインターネット電話で会話している仲間ですが、顔と顔を合わせてのミーティングに越したことはありません。ヨーロッパ、南米、インドやアジアから起こされてくる新しい宣教師候補者たちの情報交換、チームの今後について、また個人的な証など、四日間朝から晩まで話し合いました。特別に恵まれたのは毎朝持ったルツ記からの学びです。最後の日、私がリードしましたが、不思議な聖霊の確証が一同の内に静かに深く感じられました。ルツは異邦人であったが、ボアズと結婚することによって、ダビデ王、そして救い主イエス・キリストの祖先となった。ニューホライゾンズは、今までのOMFの伝統的な宣教師派遣国ではない国から宣教師を迎えるためのチームである。南米や東欧、アフリカなどからの働き人はOMFにとってまさに「異邦人」ルツであり、彼らをOMFという団体に迎え入れる働きをするニューホライゾンズチームは、ボアズのようではないか‥‥と。彼らを通して将来アジア宣教に大きな祝福が与えられることを期待し、神様からチームに与えられた役割と責任をもう一度確信して、喜びに満ちてアフリカを後にしました。
 それから、ここ南アフリカでも宣教師候補者の方との面談が出来ました。感謝。

【祈りの課題】
1.ニューホライゾンズチームは、リーダーのフラー師がカナダの総主事となるために帰国するので、エリオン師が新しいリーダーになります。フラー師は続いてニューホライゾンズの仕事に関わりますが、体制が変わりますのでお祈りください。
2.インドのある宣教団体と昔あった協力関係を復活させ、最近増えているインドからの宣教師志願者たちに対応しようとしています。良い理解と協力関係のもと、この宣教協力が実を結びますように。


「主の満たし」
一時帰国中 今村裕三、ひとみ

約40年ぶりの再会を果たしたI兄とともに。  保健師専門学校に行っていた頃、通学路は疎水のほとりでした。四季折々の木々花々は美しく、特に早朝の桜吹雪はそれは見事で、「 今日は遅刻しても構わない」と思い自転車を降り、桜色の空気の中をゆっくりと歩き遅刻しました。当時、この辺りに住めたらなと思ったことは覚えていますが、まさか実現するとは夢にも思っていませんでした。
 五年前、教会巡回をした時は教会に住みました。それはそれで恵まれたことは沢山あったのですが、今回は疲れていたこともあり、神様にゆっくりできる家が与えられることを祈っていました。
 当ては全くなく、神様がそのリクエストに、答えてくださるのか下さらないのか?どんな方法を取られるのか?皆目検討もつきませんでした。しかし神様は必要を、私が口に出す前から満たして下さっていました。
 五年ほど前、同じ教会員のA姉が亡くなられる前に、一人残される娘さんに「私の死後、宣教師と一緒に住んだら良いのに」と仰ったそうです。私は小さい頃からその方をよく存じあげていましたが、娘さんは他の教会へ行かれていたので、面識はほとんどありませんでした。
 その四年半後、私たちの家の事についてY姉が祈っていて下さっている頃、Y姉はいつもは乗らないバス停でバスを待ち、A姉の娘さんはバスに乗り遅れ、同じバスに乗り合わせました。そしてなんとなく家の話しになり、上述のA姉の話を聞かれたY姉が、私たちの必要を話して下さり、なんと家を貸してくださる事となりました。
 A姉の娘さんは、他の所に移られていた後でしたので、私たちは二階のニ部屋と台所という調度良い広さをお借り出来ました。
 教会巡回の合間に、落ち着くところを備えて下さった神様に感謝して。(ひとみ)
 五年ぶりの教会訪問で多くの祝福を受けています。すでに多くの教会が招いて下さっていることに感謝します。今回は特に日本への再適応のためにお祈りしています。まだ宣教地での疲れが残っているので、身体も疲れやすいのですが、節目節目に神様が必要な力を与えて下さることを経験しています。ほぼ毎週数回、違う教会で説教や宣教報告をします。聖霊様が語る者の欠けを満たして下さり、日本の諸教会の益になりますようにと祈ります。続けて御加祷くだされば感謝です。(裕三)

【祈りの課題】
1.8月は関西地区の巡回です。宣教報告が用いられ、神様の働きを知って頂くことができるように。また、祈りの手を挙げて下さる方が与えられますように。
2.続けてタラー地区のクリスチャンのために。特にラー兄の家族の歩みのためにお祈り下さい。

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