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2011年11月号  page1  page2


「アフリカの中国人伝道」
OMF総裁 パトリック・フン師

アフリカ訪問にてその1  二〇一〇年一月、OMFメンバー五人から成るチームがアフリカに派遣され、アフリカ大陸の八ヵ国を訪問し、そこに住む約百万人とも言われる中国本土出身者への働きの可能性を調査しました。
 一九九〇年代、中国・アフリカ間の貿易は一九九〇年の十四億ドルから二〇〇〇年には百億ドルへと、実に七百パーセントもの伸びを示しました。そして二〇〇八年にはさらに千六十八億ドルにまで達しています。二〇〇九年前半には中国のアフリカへの対外直接投資額は、前年比で八十一パーセントアップして、五千五百二十億ドルに達しました。アフリカ在住の中国人も十年前の十万人から、今では約百万人になっていると言われています。世界中をおおう経済不況の中にあっても、中国の対アフリカ貿易と、アフリカへ移住する中国人の数は衰える気配がありません。
 中国政府と中国の大企業にとって、アフリカはアンゴラやスーダンの原油からジンバブエのプラチナ、ザンビアの銅、コンゴの首都ブラザビルの熱帯樹木の木材、南アフリカの鉄鉱石に至るまで、様々な魅力に溢れる地域です。中国企業によりアフリカ全土にわたって金、プラチナ、コバルト、クロミウム、石油、水、木材、ダイアモンドなども採掘されています。その見返りとして中国企業は道路、高速道路、ダム、学校、病院、鉄道、オフィス建築、ITインフラなどをアフリカの各地に建設するのです。
 中国人にとってアフリカは起業し、利益をあげる上での様々な機会を提供してくれる場と映っています。様々な成功物語が人々の心に火をつけ、何千人もの人々がアフリカで一儲けしようと母国を離れるのです。
 今回のOMFチームも又、どこへ行っても並みいる中国人経営の店を見かけました。その種類もハードウェア、ソフトウェア、コンピューター、衣類、靴、食料品、アイスクリームなど、さらにインターネットカフェやレストラン経営を手がけるなど扱っていない物はないかのようです。

アフリカ訪問にてその2 一歩前進
 中国人クリスチャンのモニカ姉は、ナイジェリアの首都ラゴスの中国人街で靴とアクセサリーを扱う店を経営しています。店は小さく風通しが悪く、店の裏から自家発電機のガタガタ音が絶えまなく聞こえてきますが、騒音や暑さにもかかわらず経営は順調のようです。
 彼女のナイジェリアへの移住は簡単ではありませんでした。他の多くの人々同様、彼女も三か月間有効の観光ビザしかもらえませんでした。ビザ取得や更新をしようとしても、多くの場合入国管理官は「偽造」と決めつけ、すぐに賄賂を要求してきます。
 合法的に手続きを進めたいと考えたモニカ姉は、アフリカ人教会のヨミ牧師に助けを求めました。牧師はすぐに税関で働く友人に連絡を取り、その友人が入国管理局の友人たちに連絡をしてくれ、彼らがモニカ姉のために正当な手続きをもって正式な書類を出してくれました。このことを通してヨミ牧師は、彼や彼の教会が実際面や交わりを通して、どのように外国人クリスチャンの力になれるかを知ったのです。彼と教会にとってこの経験が、今後中国人への働きに関わっていくきっかけとなるかもしれません。

ナイジェリアの街角で。ナイジェリア・中国フレンドシップと書かれた壁 中国人のためのビジョン
 二人のナイジェリア人クリスチャンが小さな部屋に入ってきました。その内の大柄な方が大きな笑みを浮かべながら自己紹介をし、「私たちは中国人に重荷を持つ人たちに会いに来ました」と言いました。ヒンデと名乗るこの男性は、一年前に中国人について神からの夢を見て、今では中国人伝道のビジョンを与えられて、数人の兄姉と共に定期的に中国人街を訪問しているとのことでした。
 最初中国人たちから疑いの目を向けられていた彼らも、時が経つにつれて多くの人々から信頼されるようになりました。救われる人々も数名起こされました。ヒンデ兄は救われた中国人たちが中国へ戻る前に整えられ、信仰に固く立ちながら、中国内でも伝道してほしいと願っています。中国人に大きな重荷を感じている彼は北京語を学ぼうとしており、今こそナイジェリアの教会も中国人伝道に加わるべき神の時だと感じています。
 「OMFのチームを私たちは両手を広げて歓迎します。」私たちチームがナイジェリアを去る時、ヒンデ兄はこう言いました。そしてこう続けました。「ナイジェリアの生活環境は厳しいです。頻繁に断水や停電がありますし、給料に対して生活費は高いのですが。」外国人は強奪や時には誘拐の標的にすらなります。極端なお役所制度やその中の汚職も大きな問題です。そうしたストレスに耐えられる人がこの働きには必要なのです。
 このように大きなチャレンジに応答しようとしているディアスポラ伝道チームのため、どうかお祈り下さい。

◆主がディアスポラ伝道チームに御手を置いて、はっきりとした方向性を示して下さり、一歩一歩確実に導いて下さいますように。
◆神の導きのもと、ふさわしい時にふさわしい人材とコンタクトが取れるように。
◆まだアフリカの文化背景をよく知らない宣教団体として、どのように様々なことに対応すべきか学ぶ必要があります。その過程の中でも、必要な知恵と文化的な配慮を示していけるように。
◆何よりもチーム全体が神の御霊に満たされて歩みを進めていけるように。
◆ディアスポラ伝道のリーダー達のために。彼らがこれらの課題について働き人達を適切に導いていけるように。


「芳賀先生、どうもありがとうございました」
日本 木下理恵子

 芳賀正先生召天の知らせを受けました。私が二十七年前、OMFから送り出して頂いたのは、芳賀先生が日本委員会の委員長の時でした。教会にお伺いすると、掲示板には多くの宣教師の祈りの手紙が所狭しと貼られていました。こんなに沢山の宣教師のために祈り、サポートしているんだと驚きました。毎月一回月曜夜、以前のミッションホームである古い家の薄暗い部屋で、OMF祈祷会が持たれていました。各宣教地、宣教師からの祈りの課題を一つまた一つ、皆様ひたすら祈っておられました。宣教地に行ってから、何度あの祈祷会の様子を思い出し、「ああやって皆さん祈っていて下さるから大丈夫」と自分を励ましたか知れません。時にはわざわざ台湾まで会いに来て下さったり、帰国した時にはいつも宣教報告にお呼び下さいました。その宣教祈祷会に伺うこと、先生方とのお交わりがとても楽しみでした。
 日本で牧会しながらも、先生はずっと忘れることなく世界宣教のビジョンを持ち、実行し続けて来られた事です。その様に後ろでしっかり守り、押し出し続けて下さったから今のOMFがあり、私も今まで続けてこられたのだなぁと心から感謝しています。先生も私を送り出した時、正直私が一体どのくらい続くかと思われたと聞いた事があります。どれ程お祈り下さった事でしょうか。そして日本でのその様な祈りが、一人の宣教師を作っていくのだなと実感しています。先生が天に帰られ寂しくなりますが、将来又先生とお会いする時喜んで頂ける様、私もしっかり宣教を続けていかねばと思わされています。芳賀先生、本当に今までどうもありがとうございました。
 中国語集会はこの半年、帰国や引越しで九人いなくなりました。残されたクリスチャンたちが、ただ自分たちが楽しむだけでなく、まだ主を知らない中国人たちに伝道していく思いが強められるようにお祈り下さい。今年のクリスマス、みんなで一致して準備でき、友達を誘って来られるよう、主が新しい求道者を託して下さるグループとなれる様、お祈り下さると感謝です。皆様のいつものお祈り、どうもありがとうございます。
 追伸:私のパソコンが遂に動かなくなりました。祈りの友のメールを受け取られている方で、この一年半にアドレスを変えられた方、又、祈りの友のメールを受け取り、祈って下さる方、恐れ入りますが木下宛にメールをお送り下さると感謝です。


「プロジェクト・テモテの分かち合い」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江

 二〇〇七年十一月より二年間、プロジェクト・テモテというリーダー訓練会に参加させていただきました。OMF宣教師として奉仕する中、伝道牧会の現場で人々を導く立場にある者(リーダー)として直面する課題にどう対処するか。リーダーとしてどのように整えられていくか。特にサーバント・リーダー、つまり僕(しもべ)である指導者として、それを実践し模範を残された主イエスに、どのように倣っていけばいいのか。自らの日々の奉仕にすぐに活用できる内容が多く、大変恵まれました。
 この訓練会に参加した者達は、それぞれが置かれた立場で、学んだ内容を伝えていくようにと期待されていました。ディアスポラ伝道部の会議でもこの話題になることも多く、ケンプ部長がこの訓練会を母教会で行なっている様子や、宣教師を対象としたリトリートで扱い、参加者が恵まれたという報告を聞いていました。
 私も自らが置かれている状況で用いる機会が与えられています。私達夫婦が授業を幾つか担当している東京聖書学校(日本キリスト教団ホーリネスの群れ)で、パーソナル・ディベロップメント・プログラム(以下PD)と題して授業に組み込み、三年目となります。PDの目的は以下の通りです。一.神を知り、自らを知り、キリストに似た者とされていく。二.次のことを通して神の栄光を表わす。a.神が願うところの器となるように整えられていく。b.自らが造られた様を知り、他者が造られた様を知る歩みを進める。c.主にある兄弟姉妹(教職・信徒・未信者)との健全なチームワークを通して主の御体なる教会を建て上げる。
 「聖書を学問的に教えられるのも大事だが、常識をもって健全な人間関係、信頼関係を築ける牧師を送って欲しい。」このような要望(苦情?)が、神学校の卒業生を派遣した派遣先の教会から時々寄せられると、私達夫婦がアズベリー神学校(米)で学んでいた時に聞きました。キリストを現わす器を養成することをアズベリー神学校では中心に据えていました。OMFが大切にしていることと重なります。二〇一五年に創立百五十周年を迎えようとしているOMFですが、ハドソン・テーラー以来、働き人の資質、特に聖さに重きを置いていると思います。プロジェクト・テモテは、まさにこのことを具体的、実践的に教えてくれました。
 自らが置かれた場所で、この恵みを分かち合う機会が与えられていることを感謝しています。今年の五月以来、牧師会の学びでも分かち合うよう導かれ、九月にはコンフリクト・マネジメント(紛争あるいは対立解決)を扱いました。教会内の対立にも、家族内の意見の衝突(特に夫婦)にも適用できる内容でしたので、良いコメントをいただきました。忠実なお祈りに感謝しつつ。


「『袋叩き』のその後」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

ほら、ドジョウってのはこうやってさばくんだ  「バンコクで袋叩きに遭ったウィタヤー君(八月号参照)のその後。トラウマや後遺症もなく、彼はバプテスマ(洗礼)に向けて聖書の学び・準備を貴(たかし)インターン神学生から受けていました。ところがいつしか、青年会へ来る回数が減り、約束した時間に神学生が訪問しても不在のことが多くなり、ついに挨拶も無くバンコクへ働きに行きました。
 貴神学生は田舎教会の特徴、つまり、どんなに真心込めて聖書を教えても、都会への流出という事態は突然起こり、短期間に具体的な実を見ることは稀であるということを学んでいます。神学生は聖書を敬遠するようになったウィタヤー君の急速で不可解な変化に落胆しつつも、他の中学・高校生の指導に力を注ぎました。
 例えば毎週金曜〜日曜、男子中高生と教会堂に合宿し、蛇料理と聖書の会、どじょう料理と聖書の会などを楽しそうにやっています。金〜土曜の夜は女子も含めて三〇人くらいで賛美の練習と礼拝です。日曜朝の教会学校では中高生に小学生を教えさせ、また大人の礼拝に出席させ十戒の暗唱を大人の前でさせていました。
 そんなある日、ウィタヤー君の妹ムワンメン(中学生)が洗礼を受けたいと申し出てきたのです。詳しく聞くと「十戒を暗唱していて自分に罪があるということが分かった。イエス様に罪の告白をしてバプテスマを受けたい」とのこと。
 こういう自覚は極めて重要で、ミェン族の中では極めて稀です。家の宗教がキリスト教だから、子供も生まれたときから自動的にクリスチャン、という誤解が山岳民族一般に蔓延しています。ムワンメンの曽祖父はタマジャーリク村の開墾者でクリスチャン、祖父は元村長で現在教会代表役員、母親も教会で役職を担います。そのような環境で育ちながら、彼女は「十戒によって自分が罪人であることを認めた」と自覚的な告白をしたのです。神の御ことばの活ける力を人格的に受け止める人を久しぶりに見、大いに励まされました。
 今後、以前からバプテスマの学びをしている四人の婦人たちにムワンメンも加わり準備をする予定です。五人全てが聖霊による新生を明確に経験するようにお祈りください。またムワンメンの兄、ウィタヤー君が、広いバンコクのどこかで神に遣わされた誰かに出会い、バプテスマに導かれますように。

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