「その後の活水泉」

日本　木下理恵子

　いつもの御祈り、ご献金をどうもありがとうございます。台湾のテラさんたちより最近の活水泉の祈りの課題をお聞きしました。
　小郭（シアオ　グゥオ）は三十代の男性。家は萬華にあり、活水泉の近くで米、雑穀、乾物などの商売をしています。どうしても母親の愛を受けられず小郭はお酒を飲む様になり、今では非常に重症のアル中です。
　家族はそんな小郭に愛想をつかし、すぐそこに家のある中、彼はホームレスです。体もぼろぼろでこのまま飲み続ければ何時死んでもおかしくない状況です。もう以前から主を信じているのですが、なかなかお酒が止められません。そんな彼がやっと禁酒のリハビリセンターに行く決意をしました。呉師、小孟が身分証明書やらなにやら彼のために奔走し、やっとリハビリセンターに到着し、小郭も馴染み始めた時、彼に疥癬（ひどい皮膚病）があるのがわかり、治るまで出されてしまいました。今小郭は政府のホームレス収容所にいます。彼の疥癬が早く直され、又お酒を止めようとする気持ちを失わないように、そして早くリハビリセンターに戻れるようお祈り下さい。ホームレス収容所には飲み友達もたくさんいます。
　萬華の風俗の女性への伝道を始めたテラ師は励ましもある中、そんなにすぐに結果を見られないと感じています。フルタイムの同労者がまだ与えられておらず、何人かの近くの教会からの姉妹方が折々助けてくれています。でも最近一人の女性と続けてコンタクトが取れ、彼女が自分の客を連れて活水泉の礼拝に来たそうです。彼女の客は六十近くの障害者でなかなか仕事が見つからない中、テラ師も彼を連れて職安に行き、その彼女も一緒に行き自分でも今やっている仕事以外の仕事を探したそうです。彼女自身精神障害があったりし、他の仕事は自分では無理だと思ったようですが、でも少なくとも他の仕事を探すと言う一歩がありました。これからテラ師と彼女が週一回会い、聖書の学びと祈りを共にする事になっています。彼女が実際来てくれるよう御祈り下さい。
　私の巡回も祝されています。地方では大きなお祭りに重なったり、こうした地で伝道なさっておられるんだとその戦いも実感したりしました。たまに台湾の方にお会いできるのも大きな喜びです。信徒の方々が熱心に伝道について意見を語って下さる事も多く、皆さんこんなに考えておられると、その力が更に日本の伝道に生かされるよう祈らされます。十月は関東と九州を回ります。引き続き御祈り、よろしくお願いします。

【祈りの課題】
1.木下師は10月は関東と九州の巡回です。主の祝福があるように。又熱心に伝道を考えている信徒の方々が更に主に用いられ、地域の伝道が進められるように。
2.活水泉の小郭が、ホームレス収容所でも禁酒の決意を失わず、疥癬が早く癒され禁酒のリハビリセンターに早く帰れるように。テラ師のコンタクトの女性が週一回の聖研と祈りの時に来てくれるように。救われるように。

「タイでの休暇、タイからの宣教師」

カンボジア　プノンペン　菅家庄一郎、容子

　八月はOMFカンボジアの宣教師が全員集まる年会がありました。この年会の前に、私は霊的に乾ききっていました。アジス・フェルナンド師のメッセージに教えられ、チャレンジを受けました。その後、家族休暇をいただいて、タイ国で静まるときが与えられました。ピリピ三・七―十五から主は語って下さいました。パウロの願いは、一言で言えば「主を知ること」。そして、パウロの望みは「信仰に基づいて、神から与えられる義をもつ」ことであり「死者の中からの復活に達すること」でした。また、そのゴールに達するまでは、「復活の力」を経験すると同時に「苦しみ」にあずかることでもある、と書かれています。また、十二節以降を見ると、パウロの目標は、「後ろのものを忘れ」キリストの下さる賞を目指して走り続けること、ですが、これは、決して仕事中心の生活のすすめでないことがわかります。「すでに捕らえてくださったキリスト」に感謝し、キリストにすべてをゆだねて、神からの栄冠を目指して日々走ることと、自分の力で、自分のたてた目標を達成するためだけに生きることとは大きな違いがあります。イエスキリストのみに目をとめて、キリストと共に歩むことができるようにお祈りください。（庄一郎）
　この八月、年会のすぐ後に、マリッ師はカンボジアの地からタイへ帰り、第一線の宣教師の働きから、今度は新しい働き人を見出し、送り出す奉仕に就きます。彼女は、十一年前私達と共に宣教師候補者コースに参加して以来の親しい友人です。第一期には、共にポチェトン教会の奉仕に預かり、学生伝道の働きにも協力してくれました。初めて会った時から、女工伝道の重荷を持っていましたが、第二期からその働きの道が開かれ、工場が連立する地域で寮を開き、二十数人の女工さんと寝食を共にしながら、伝道、訓練に励んでいました。基本的な衛生教育から始まって、聖書を実生活に当てはめながら教え、彼女たちの様々な悩み、問題の相談にのり、励まし、訓戒し、その働きはまさに母親が娘を育て、訓練するかのような細やかなものでした。彼女と共に過ごした四人の若い短期ヘルパーは、皆その後献身に導かれ、神学校で将来の働きのため学んでいます。
　年会で最後の証しを分かち合っている時、本人にとっても不意な涙が流れました。私は彼女の働きの背後に、その原動力として、女工さん一人一人に注がれている神様の愛を認め、宣教の主はイエス・キリストを世に送られた神さまご自身であることを改めて覚えました。この主が私達一人一人をそれぞれの場に遣わされ、私達と共に歩み、私達を通してご自身の業を成し遂げてくださることを覚え感謝しました。(容子)

【祈りの課題】
1.マリッ師は、カンボジアでの宣教活動を終え、母国であるタイ国に戻り、タイ国の教会から宣教師が派遣されることを励ます働きに向かいます。主が彼女を用いてくださり、タイ国から主の召しに従って、宣教師として働く若者が起こされていきますように。
2.クソル兄という学生がイエスキリストを信じる、と言いました。続けて教会に繋がり、洗礼を受けることができるように。以前に、宣教ニュースに書いたダヴィンという卒業生は、洗礼を受けたものの、教会からは離れてしまっています。主に立ち返ることができるようにお祈りください。

「メールで祈ろう」

北タイ・ミェン族　有澤達朗、たまみ

　「教会では讃美歌CDが大人気。皆CDを聞くのを楽しみにしているし、練習も始めましたよ。」「クンメーボン村は腰まで水に浸かってしまいました。」「バージェス師のコンピューターがまた故障、祈ってください。ミェン語聖書全巻翻訳終了直前になってアクシデントの連続です。」「チェンマイ・ミェン族宣教教会のジェムエン牧師夫妻、元気でいます。」「タマジャリック教会は、九月が役員改選の時期です。ふさわしい人が代表役員になるように、誘惑に負けて間違った方向に行かないように是非祈ってください。」「お預かりしている車、こちらでの伝道にフル活用されています。」「猫ちゃん達、元気にしていますよ。安心してください。」
　世の中、電子メールのおかげで彼の地のニュースが毎日のように入ってくる。読む度に主に感謝と祈りをささげている私達である。（たまみ）
　十月三十一日、私は妻にプロポーズした。それと同じくらい大切なのは宗教改革記念日だということ。発端となったルターにつき、内村鑑三はこう言う。
　「クリスチャンとしての私はルーテルの友であり、其弟子であり、又其兄弟であります。私は心の奥底に於いて彼と実験を共にする者であります。」「『義人は信仰に由て生くべしとなり、福音に由りて神の前に立て我等に有効なる義は示されたり、即ち神は恩恵と単純の慈悲よりして、信仰によりて我等を義とし給ふとなり。』ルーテルより斯かる言を聞いて私も亦罪の重荷を脱し憚らずして恩恵の座に近づくことが出来たのであります。」
　内村はルターのたましいの内に聖霊の働きが行われたと知っています。「ルーテルの霊魂の中に大変化の起こりし時に、人類の歴史に新世紀が開かれたのであります。」ただ一人の人が心に御霊の働きを受け入れたことが、形骸化した教会を変え、ヨーロッパを変え、世界宣教に至りました。
　メールで繋がる八月のミッション・ポッシブルの参加者の心に、巡回を受け入れてくださる諸教会の内に霊的な働きが起きていることを主に感謝しています。（達朗）

【祈りの課題】
1.10月で北海道巡回を終えます。巡回報告をしながらミェン語聖書翻訳のチェックをするのはむずかしいと分かりました。本州巡回に入ると、大きな辞書やコンピューターが使えなくなります。何とか10月中に『ダニエル書』『伝道者の書』をチェックし終えることができますように。
2.チェンマイミェン宣教教会の家賃は過去4年間アメリカのミェン族クリスチャンが捧げてくれていました。それが10月で打ち切りとなります。会員が力を合わせて自立へ向かうようにお祈りを。ジェムエン牧師の説教による牧会に聖霊の助けがあるように。

「お金と神様」

カンボジア・クロチェ　　今村裕三、ひとみ

　クラチェ教会は九五年にOMFの最初の宣教師が来て、当時は村々を中心に伝道して小さな集まりがいくつも出来ました。町に群れが出来たのは、九八年です。それから、二〇〇〇年、二〇〇一年と他の団体にリーダーや村の群れが引き抜かれました。二〇〇五年にもリーダーを含む数家族が抜け、自分の家で集会を始めました。そして、今、他の宣教団体に給料を引き替えにリーダーが誘惑を受けています。その給料も五十ドル程度と多くはないのですが、カンボジア人にとっては大きな誘惑です。これまでにクラチェ教会は、物質的な要望には応えないことで、多くの人が教会を去っていきました。間違った願望を教会や宣教師に持っていたからです。そのようにして、神様と御言葉だけを求めて集う人たちがクラチェ教会に残っている状況です。しかし、お金に弱さがある兄姉もおり、その兄姉のところに上記のような誘惑があります。また、自分の思うような教会を作りたく出て行く兄姉もあります。
　同僚のウェイウェイ師は、給料を貰わずとも、教会員の訪問や伝道に出かける教会員を誇りに思うと言います。ちょっと横を向くと給料を貰って同じ事をしている他のクリスチャンがいるにもかかわらず、彼らは聖書をきちんと読み、祈り、主の愛に応答してそのようなことを自主的にしているからです。
　クラチェにある他の教会に対して、多くの教会員は、教会には英語クラスもないし、給料をくれるわけでもないので、少し恥ずかしい気持ちを持っているようですが、それこそが本来のクリスチャン生活なのだと自信を持てるように励ましていきたいです。お祈りください。（裕三）
　プノンペンに出て来た時に、エイズの若いお母さんの子どもが入院したと聞きました（以前にOMFニュースでお話しした方です）。彼女の友達に話を聞くと「また痩せて、髪の毛も抜けて、見てられないわ！」とのことでした。どのように彼女を励ましたらよいのか？と祈りつつ病院に向かいました。彼女の子供は快方に向かいつつあり安心しました。彼女の外見は確かに衰えました。しかし、彼女の目は輝いていました。彼女は、大部屋にいる他の更に弱った子ども達（おそらくエイズと思われる）のことを一生懸命紹介してくれました。ある九才の女の子は、がりがりに痩せ目は力なくうつろです。私がその子に折り紙を手渡すと少し動かし、かすかに微笑みました。彼女はそのような弱った子どもたちに出会い「自分も子どももやがてそうなるだろう」という絶望を見いだしたのではなく、「この私よりも更に弱った人に愛を示そう」と考えているようでした。励ますはずの私は大きな励ましを彼女から受け取り帰りました。
　「あなたのみ言葉は私の足のともしび‥‥」と聖書にあります。真っ暗な中を歩んでいて与えられた素晴らしいともしびですが、私は時に「もっと大きい光があれば、先をもっと見通すことが出来るのに」と考えます。しかし彼女と出会い、また優しくはないクラチェ教会の状況を知るにつれ、与えられた足下のともしびをしっかり見つめることの大切さを学びました。先の見えない暗闇に振り回されることなく、足下の御言葉の光に日々、忠実にあることが出来るようにお祈りください。（ひとみ）

【祈りの課題】
1.クラチェでも語学の学びが着実にできるように。よい先生が与えられました。よい緊張感のなかで学びが祝福されるように。
2.金銭的な誘惑を受けている教会員の信仰のために。また、リーダーを奪っていくような働きをしている団体の本質を教会員が賢く理解できるように。特に、教会リーダーの霊性のために。家族やお金の問題から守られるように。