2015年9月号
page1
page2
「地に足をしっかりつけて」
日 本 菅家庄一郎、容子
最近、韓国とシンガポールの教会で同じような現象があると聞きました。それは、若者たちの教会離れです。その理由の一つが「教会が社会的な問題に関心がないから」というものなのだそうです。霊的なことだけを強調し、激変する社会の中で起こっている問題に関心がないキリスト者の姿を見て、失望する若者が増えているのでしょうか。
ともすると宣教師も、片言の宣教地の言語でトラクトを配りながら、「イエス様があなたを愛しておられますよ」と明日の食べ物がない人々を前にして叫んでいる無神経な人々、というようなイメージをもたれているかもしれません。
霊的な問題と社会的な問題を分離することは全く聖書的ではありません。イエス様は、神の国について語るのと同時に、病人を愛し癒し、五千人がパンを得るように働いてくださいました。初代教会において、使徒たちはやもめたちの配給の問題について取り組んでいます。
宣教の主は、私達の魂の主であるだけでなく、日本民族および全世界の人々の主です。神の主権が及んでいないところはどこにもないのです。だとすれば、神様は私たちの健康や置かれている社会的状況にも深い関心をもっておられるはずです。
アジアの国々においては、賄賂、エイズや特殊な病者へのケア、貧困、買春や家庭内暴力、独裁政権、優秀な人材の海外流出、ホームレス、移民の不当な扱いなど様々な問題があります。さらに、仏教、イスラム教、ヒンズー教など長くこの地に根差した土着宗教があり、それらが社会を動かす原理として機能している場合も多くあります。
OMFの働き人はこのような状況の只中へ派遣されます。宣教師、大学教師、医師、看護士、ビジネスマンとして現地の人々と関わる中で、上記のような課題とぶつかるのです。それぞれの問題に宣教地の人々と共に解決を模索しながら福音を伝え、教会を形成し「みこころが地でも行われるように」働きかけていきます。
これまでの慣習にとらわれず、聖書的、かつ創造的に福音を伝えることができる人材が求められています。東アジアの国々に福音のために出かけていくように主から導かれている方はぜひご相談ください。(庄一郎)
七月、高校の卒業三十周年の同窓会に参加しに大阪に帰省しました。海外にいた時期も長く、「同窓会」というものに参加するのは初めてでした。途上の電車の中、「マーヤ!」(バスケ部でのあだ名、アニメのみつばちマーヤからです)と駆け寄ってくれた女性、私は一呼吸おいてから、「たばちゃん!」お互い、「全然変わってない!」と感動の対面。その日、同じ会話が何度繰り返されたでしょうか。男性軍は…大きく風貌に変化があり、分からない人もいましたが、高校時代以上に皆くったくなく話ができるのに驚きました。特に懐かしがって、色々話しかけてくださったお友達にカンボジアに行っていたことを話すと、びっくりして「もっと話が聞きたい!」なんと翌日の礼拝にも来てくださいました。
久しぶりの母教会は現在会堂建設中で、近くの地域会館を借りての礼拝。小学校時代よくドッチボールをしていた路地のすぐ裏手でした。礼拝に先駆け、中高生会で証をしました。いつのまにか大きくなっている子供たちの顔を見ながら、思う存分(大浜弁で!)九三年台湾での学生キャンプで日本の学生が戦争責任の謝罪をしたことから巻き起こった事件を話し、その翌日ヨハネ二十章から復活されたイエス様の「平安があなたがたにあるように。父がわたしを遣わしたように、わたしもあなたがたを遣わします」のみことばに押し出され、カンボジア宣教へ導かれていったことを話しました。食い入るように聞いてくれた中高生たちの真剣な眼差しに、こちらが感動を覚えました。その前日話した甥っこ、姪っ子たちもそれぞれにユニークで面白い。私たちの世代とはまた違った、新しい感性、ものの見方が与えられている次世代の若者たちが、生きておられる主に出会い、彼ららしく、神と人に仕える歩みをしてほしいと祈らされました。いつも祈って下さっている母教会の皆様と礼拝を守れた喜びを胸に、新たにされた古い交わりへの感動と共に市川に戻りました。お祈りを心から感謝しつつ。(容子)
【祈りの課題】
1.8月28日から9月2日までOMF北東アジア地区リーダーのマー師夫妻が来日しています。台湾、韓国、香港、日本などの国々の宣教の課題・教会の様子をよく把握することができますように。
2.9月11日にC国で働くワーカーが帰国します。1月12日まで日本に滞在し教会訪問をします。この国における実際的・霊的必要が多くの日本の教会に分かち合われ、祈り手が与えられますように。
「全てのことに時がある」
タ イ 坂本朋子
現在チェンマイは雨季真っ只中で、気温も真夏の日本より涼しいかもしれません。今月初めはOMF百五十周年記念大会が開かれ、千六百人以上が世界中から集まりました。賛美、メッセージ、証、交わりを通して神様の偉大さを仰ぎ称え、与えられた召しを再確認する素晴らしい時間でした。また普段滅多に会うことのない日本人の同僚の皆さんともお会いでき感謝でした。
また今月は新しいことの始まりと、あることの終結があった月でした。新しいことは、私が普段通っている教会で週に一度日本語を教え始めたことです。
バーン・ジョイ(喜びの家)教会はチェンマイ大学裏にある小さな教会で、OMFの宣教師とタイ人牧師夫妻によって始まった教会です。御言葉をしっかり学び伝道に力をいれている教会で、私は自分が何かをするというより、彼らから学ぼうと思ってこの教会に集っていますが、牧師から伝道のために日本語クラスを開いてほしいと頼まれたため、そういう目的であればということで承諾しました。現在は九人生徒がいますが六人はノンクリスチャンです。私も日本語を教えるのは十年ぶりだったので初めは緊張しましたが、今は慣れて楽しく教えています。ここに来ている学生たちはエリート達で、理解も早く教えがいがあります。普段はエイズケアでどちらかというと社会的に低い人々に関わっていますが、イエス様は貧しい者だけではなく、全ての人のために十字架の上で死なれたことを覚え、このクラスを通して彼らが教会につながり、イエス様に出会えるように祈りつつ奉仕しています。
一方今月終結したことは、以前住んでいたフェローシップハウスの件です。今月この家を大家さんに返しました。様々な方面に当ってみましたが、この家に住みながらエイズケアの若者の働きをしたいという人材が見つかりませんでした。さらに八月から始まる新学期を目前にして、この家に住みたいという学生も与えられず、しばらくプーさんが一人で住んでいましたが、彼女も一人で大きな家に住むのは何かと都合が悪く今月半ばに引っ越しました。空っぽになったフェローシップハウスの後片づけをしながら、私の頭に様々な思いがよぎりました。全てのことに時があります。神様がここに住んだ二人の深い傷を受けた少女たちを引き続き守り導いてくださるようにお祈りください。いつも皆様のお祈りをありがとうございます。
【祈りの課題】
1.チェンマイ大学近くにある出席教会で7月より日本語を教えていますが、今のところ9名の生徒が与えられています。そのうち6人はノンクリスチャンです。この学生たちが日本語クラスがきっかけで教会につながり、信仰に導かれますように。
2.エイズケアはドイロー地区で長年働き福音も伝えていますが、ごくわずかしか信仰に導かれる人が起こされていません。聖霊が福音を聞いた人々の心に働き、偶像礼拝と罪から離れ、イエス・キリストを救い主として信じることができますように。特にエイズケアのボランティアで仏教徒のオイさんとノイさんの救いのためにお祈りください。
「OMF全体の一五〇周年記念集会」
日 本 ディアスポラ伝道 横山好江
OMF全体で一五〇周年記念を祝う集会が、七月一~五日とタイで行なわれました。二年前から計画が始まり、千四百名もの宣教師を集めてどうなるのかと思いながら羽田空港を発ちました。宣教師には閉ざされた国々の働き人も集まりますので、内容などの詳細については最小限のみ伝えられていました。会場に着いて圧倒されたように感じました。集会場の大きさ、人数の多さ、あらゆる地域(宣教地)から、種々の働きに携わる働き人が集まっています。参加できなかった宣教師もいますが、各地の委員会のメンバーや、祈祷会の方々、引退宣教師も多く参加しています。三世代の家族を目にします。祖父母が引退宣教師、その子が現役宣教師、祖父母が孫のお世話をしています。別の家族は、現役宣教師と子供達に加え、宣教師の両親がアッシャー等の奉仕者として加わっています。
世代を超える恵みは、ハドソン・テーラーの玄孫(やしゃご、五代目)であるジェイミー・テーラー宣教師の証しにも溢れていました。「OMFへの加入申請を三度却下された」体験談から始まり、この大会に来る直前に英国ブライトンにて家族で記念の時を持ったと、母親からのビデオ・メッセージ入りで語られました。
OMF初のアジア人総裁であるフン師はそのメッセージで、まず謙遜を強調されました。さらに悔い改めの大切さを語られた際には、少し言葉に詰まり涙されているかと見受けられました。主の御前に真実なリーダーをいただいていることを主に感謝し、自らも謙遜と悔い改めを心に刻みました。
日本委員会から派遣されている働き人が一緒に集まることができました(牧野師と伊豆師も)。食事やお茶の時間にほぼ全員と会って話すことができたのも恵みでした。宣教師に閉ざされた国々の働き人からは、通常の祈りの手紙では伺い知ることができない生の声をお聞きし、多くを学びました。
病欠のケンプ部長など、来られないメンバーも多かったのですが、ディアスポラ伝道部でも集まることができました。お祈りを感謝しつつ。
【祈りの課題】
1.グローバル・リターニーズ・カンファレンス(全国帰国者大会、9月20日~23日、富士吉田市にて)のために。「帰国者にやさしい教会とは?」と題したセミナーを担当します。お祈りください。
2.OMF組織改編に伴うディアスポラ伝道部の在り方について話し合いが続いており、9月22日~29日とタイで行われる会議で扱われます。主の知恵と導きをお祈り下さい。
「再起可能。祈られているから」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
チェンライ県メーチャン郡のインマヌエル・ミェン教会(旧名タンマジャリク教会)から嬉しいニュースが届いた。以前この教会の初代牧師だった夫妻が、今月からインマヌエル教会牧師として赴任することになった。
この夫妻は足掛け七年間インマヌエル教会の牧師をした後、八年前ミェン族で初の宣教師として、ミェン族のいる他の国へ出かけて行った。その後、様々な要因から、心身ともに疲れて二年前にタイへ本帰国。今後のことはまったく白紙状態で帰国していた。私たちが彼らと面談をした時には、失望感とこみ上げてくる怒りから教会の働きなどまったく考えることもしていなかった。導きを求める時間をとるため、教会の働きからもミェン族からもしばらく遠ざかった。主人は、ミェン族の賜物豊な働き人を二人失ったと思った。
一方、彼らが初代牧師として就任したときから、そして宣教師として出て行ってからもずっと、祈りと献金で彼らを支えてきていたインマヌエル教会は、新会堂建設のため大きな借金を抱えながらも、借金返済よりも専任牧師招聘が急務だ、と牧師が与えられるように祈って来ていた。時が至り今年六月に、インマヌエル教会から、是非牧師として戻ってきて欲しいとの要請がこの夫妻へ行く。彼らは、祈りつつ謙遜に応答したとのこと。
多くの人々が、この夫妻の今後の働きのためと心身の癒しのために祈っていた。神様から与えられた祈りの期間を経て、再び教会の働きに導かれた事は奇跡といっても過言ではない。神様の哀れみと慈しみ、そして、祈りの勝利を見た。どうかこの夫妻が日々謙遜に、そして神様の愛、喜び、平安に満たされてインマヌエル教会に仕える者でありますようにと祈る。神様と、皆様のお祈りに感謝いたします(たまみ)
先月の宣教ニュースで、メルボルンのバンドゥーラ教会から来年のタイ・ミェン族短期ツアーへの応募者が十六人から十二人に減るように、とお祈りをお願いしました。祈りは早く答えられ、そうなりました。実は、十二人以下にするため、主任牧師ご夫妻が辞退したのです。
では二つ目にお願いした祈祷課題はどうなったのでしょう?「私たち夫婦としては、教会の将来のために、ぜひ主任牧師ご夫妻に来てほしいと願っています。そのように祈ってください。」
ニール牧師ご夫妻は「参加者の中から、長期でミェン族のため宣教師になる人々が起こされるように」という最大目標に同意して、来年のチームはできるだけ多くの「先の長い」会員にと、若い人に枠を譲ったわけです。牧師の会員に対する親心だな、と思いました。また、私に対しては、二〇一七年八月に牧師夫妻だけで来てくださるというご配慮をくださいました。早速、ミェン教会協議会議長ジェット師と連絡をとり、二年後にニール師を迎えて牧師研修会を開くことにしました。テーマもすでに同師に伝え、承諾を取り付けました。
主任牧師を始め役員会と、私たち客員宣教師の願っていることは、バンドゥーラ教会がただ単に、タイびいきやOMFびいきになることではありません。むしろ短期宣教企画に関わる一連の経験を通して、同教会が他の国々にも派遣している宣教師たちをもっと訪問し、もっと多くの宣教師候補者を発掘し、訓練することです。このような長期的協力関係の確立と祝福のためにもお祈りください。
ちなみに、かつて同教会の会員で、結婚によって転出した女性が、準備を終えオーストラリアOMFを通して日本へと数か月前に遣わされました(ご主人の母教会から)。このご夫妻をも、バンドゥーラ教会は支援しています。今は、札幌のOMF日本語センターで日本語を学んでいるところ。ジェソップ宣教師ご一家です。ご存知の方は「メルボルンのバンドゥーラ教会で日本語の習得のため祈っています」とお伝えください。(達朗)
【祈りの課題】
1.論文執筆後半、スピードが必要です。複雑で緻密なことを、スピードを上げて書くため、主の憐れみと力と知恵が与えられますように。
2.インマヌエル・ミェン教会に再着任する牧師夫妻のため。教会も変化しているので、まず落ち着いて現状を知ることから始めることができるようにお祈りください。
2015年9月号
page1
page2
TOP PAGE
|
OMF@宣教師.come
|
宣教ニュース
|
東アジア宣教ノート
宣教祈祷カレンダー
|
OMFについて
|
リンク
|
e-mail
OMFインターナショナル日本委員会■〒272-0035 千葉県市川市新田1-16-14
TEL:047-324-3286 FAX:047-324-3213 郵便振替:00100-0-615052
© 1999-2015 OMF International JAPAN. All rights reserved. designed by HFJ.