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2013年7月号  page1  page2


「祈りの実は永久に」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

モーレー先生、グェイフォン長老と  五月中旬、ミェン族宣教のため三十年以上祈り支えてくださった祈りの友二人が天国へ凱旋した。
 ミェン語賛美歌改訂版の中に「先生」に感謝する歌が含まれている。
 「天国に行った夢を見た。先生もそこにいた。二人で金の道ガラスの海のそばを歩いた。あなたの名を呼ぶ人がいた。顔を輝かせて会いに来た。(第一節)
 『先生、私を覚えていないかもしれないけれど、私が八歳の時、イエス様を受け入れる祈りを教えてくれましたね。それで私もここに来ることができたのです。』(第二節)
90歳古老より言語調査  また別の人が来て先生に言った。『覚えてますか?宣教師が帰国してあなたの教会で説教をしましたね。そして写真を見せましたね。あなたはじっと見つめて、決して生活が楽ではないのに献金を捧げ支えてくださった。それで今の私があるのです。』(第三節)
 次から次へと、見渡す限り遠くから多くの人が感謝を述べにあなたのところに来ている。小さなことを忠実に、人の目には見えない犠牲を払って来られた先生。人目に触れずに行ったことが、天国ですべて明らかにされました。(第四節)」
 天国で泣くことは無い、ということを私は知っています。でも、先生の目には涙が溢れているでしょう。あなたがイエス・キリストの前に立つと、イエスはあなたの手を握っておっしゃった。『わが子よ。よく見てごらん。あなたの賜物がこんなに大勢いるね。』(第五節)
 ありがとう。あなたが自分を神様に捧げてくださったこと。そのことによって私の生涯も変わりました。
 ありがとう。あなた自身を神様に捧げてくださったこと。私は心からそのことに感謝します。ありがとう。」
 ミェン族宣教のために祈り支えてくださっている皆様、心から感謝いたします。(たまみ)
学会でミェン語辞書について発表するバーネル先生  聖書翻訳を終えて退職したバージェス師は、カナダで五十五年来の祈りの友ルツさんと同じアパートに住んでいました。ルツ姉は大学教員としてカナダで働きながら、バージェス師とミェン族のために祈りと献金を長い間捧げてくださいました。しかし体中が痛む病を患って、退職後一人で暮らすことが難しくなったとき、バージェス師は「今まで四〇年私とミェン族宣教を祈りで支えてくれた友なので、今度は私が彼女の身の回りのお世話をします」と言って同居が始まったのです。
 バージェス師との同居が始まってから、実に毎日毎日、欠かさず私たち夫婦のためにも祈ってくださいました。そのルツさんは五月天へ召されました。バージェス師が気落ちすることのないようにお祈りください。しだいにミェン宣教のため長きにわたって毎日祈ってくださった方々が天へ帰るようになってきました。どうか新しい世代からこのような祈りの勇者が起こされますように。
 さて、今これを書いている私の隣には指導教官モーレー博士がいます。一緒にバンコクの学会へ向かう機内です。彼は明日の学会発表のためパソコンで原稿の手直しをしているところです。インドでの調査の後、一昨日からメーチャンの我が家に泊まりミェン族の村々を訪問してくれました。私がどのように言語調査をしているかを見てアドバイスをするためです。
 とてもよかったことは、私の第一のミェン語教師グエイフォン長老と会ってくれたことです。モーレー博士は有澤にどのような論文を書いてもらいたいか、長老に尋ねました。
 グエイフォン長老の答えです。「ミェン語はほんの少しの語順の違いでも大きな意味の違いをもたらす。いい加減な話し方をする人たちは、多少の意味の違いは気にしない。本当のミェン語、年配者のミェン語のあるがままの姿を書き残してほしい。文化、芸術、衣服に関することばの収集もしてほしいが、最も重要なことは若い人たちの知っているミェン語を足がかりに、彼らが古い世代の本当のミェン語を学び直すための本を書いてほしい。」
 現在私たち日本人は奈良時代の人のような話し方はしないのと同様に、ミェン語も変わって行くのですが、生きている人が現在の姿のミェン語を残してほしいと言っていることに、モーレー先生は感銘を受けていました。そればかりか、「合成語」「限定詞」「統語論」などの専門用語を使わないものの(まだミェン語に存在しないため)、長老が事実上それらを論じていることにモーレー先生は驚きと興奮を表していました。グエイフォン長老の言っていることが私の論文の土台と骨組みになります。最後にグエイフォン長老に祈っていただいてバンコクへ出発しました。(達朗)

【祈りの課題】
1.7月1日メルボルンへ来ました。7月〜12月の間にミェン語の文法の全体像を書くことができますように。7月中に音韻組織を書きます。タイで集めた新しい音声資料をよく聞き取る耳、分析上の明晰さが与えられますように。複数の県の諸教会を訪問してまわった生活から、資料を熟考し緻密に書く生活への切り替えと、研究生活のリズムが確立するようにお祈りください。
2.再びバンドゥーラ長老教会との交わりを始めます。一つのセルグループがミェン族宣教のために祈ってくれるようになりました。同教会との関係がさらに祝福されますように。


「南半球で何が起こっているのか?」
シンガポール 佐味湖幸

ブラジル日系人教会で  長い旅路でした。ニュー・ホライゾンズチームが南アフリカのヨハネスブルグ、ブラジルのサンパウロを経由して、チリのサンチャゴに着いたのは、シンガポールを出発して三十五時間後でした。ここは五月の南半球。季節は秋から冬へ。太陽が北側をまわっていきます。
 チリではOMFと協力関係にあるプロビジョンという宣教団体と会合をし、協力関係更新の同意書を交わすことが出来ました。プロビジョンから送り出され、アジアでOMFの働き人として働いている人のメンバーケアについて話し合い、また、新しくアジアに送り出されようとしている短期宣教師候補者ニアさんと彼女の家族、また教会リーダーたちとも会って話し合うことが出来ました。その時の彼女の言葉が印象的です。「今日皆さんとお会いできるのは本当に嬉しい事です。結婚相手の両親に会うような気持ちです。」お母さんの言葉も印象的でした。「この子は神様に捧げた子です。でも親として遠いアジアの地で、この子がちゃんと面倒を見てもらえるのか、正直心配です。」協力宣教団体から送り出される宣教師を責任をもって受け入れ、お世話しなければならないことを強く思わされました。
チリからフィリピンへの短期宣教師候補ニアさんと ブラジルからカンボジアへの宣教師候補ルシアさんと  ブラジルではすでに協力関係にある教会・宣教団体と、今後のさらに進んだ協力関係について話し合いました。信頼関係は深まったとはいえ、歴史的、文化的背景の違いからくる物事の考え方や、アプローチの仕方の違いがあり、簡単には宣教協力同意書の更新に至りませんでした。しかし、ここでもアジアに行く準備をしている宣教師候補者と会うことでき、有意義な時を持てました。また、サンパウロの日系教会連盟の会議でOMFについてお分かちさせていただいたり、二つの日系教会で礼拝奉仕ができ感謝でした。南アメリカからさらに東アジアへ働き人が送られるために、OMFが良いお手伝いを出来たらと願っています。
ブラジル日系人教会から宣教師となって日本に行くロドルフさん家族
【祈りの課題】
1.5月のチリ、ブラジル、南アフリカの旅のフォローアップのためにお祈りください。協力宣教団体との同意書、協力団体からの長期短期宣教師候補者のOMFへの受け入れのために多くの仕事があります。
2.7月は新人宣教師のオリエンテーションコースが国際本部で行われます。30人の大人と16人の子供、その子供たちの世話をする短期の働き人たち7人くらい(?)が参加予定です。私は直接責任はありませんが、彼らの良い励ましとなることができるように。


「信仰の戦い」
一時帰国中 今村裕三、ひとみ

ラーさん家族のためにお祈り下さい  日本に戻ってきました。まだ、宙を浮いているような感覚です。お店などでもよく外国人と間違われます。話している日本語が怪しいのでしょうか?それとも風貌が‥‥。拠点となる家が与えられていることは本当に感謝です。プライバシーがあり、静かな環境でリラックスすることは宣教地ではあまりできませんでした。
 日本に戻る前に、OMFのリーダーから「四年半の間に大きな奉仕が四回変わった(重複した)のだから、日本に戻ってゆっくり休み、変化で受けたストレスを消化するように」と言われました。その時は「はて?」と思ったのですが、そうです。目の前に降ってくる問題を日々、黙々と主の前に出し、やれることはやり、後は祈りの格闘をしていたことを思い出しました。いろいろとしんどいこともあったな〜、忘れていたけどまだ心痛むこともあるな〜と思いました。先輩宣教師の愛のある配慮の言葉を感謝しました。「疲れたたましいを潤し、すべてのしぼんだたましいを満たす」(エレ三十一章二十五節)という神様の約束を噛みしめつつ。(裕三)
 日本に戻ってきてすぐ、タラー地区の教会について、悲しい知らせを受け取りました。
 集っている二家族の内、ラーさん(家長)が親戚の信じている宗教(多分イスラム教)に改宗すると言い出したそうです。家や土地を売り払い(まだ売れていないそうですが)親戚のいるチャム族の村に引っ越すそうです。義母、妻、子供には教会へ行くことを禁じました。義母がコッソリと州都の教会リーダーに言いに来たそうです。
 教会のリーダーが訪問し、説得を試みましたが、ラーさんの決心は変わりませんでした。最近、カンボジア周辺や中東のイスラム教国が、カンボジアのイスラム教を信仰するチャム族を経済的に支援し、伝道活動をしている事は知っていましたが、まさかラーさんがそんなことになるとは思ってもいませんでした。
 ラーさんの家の近くに行くと、いつも子供たちが駆け寄って抱きついて歓迎してくれました。賛美も何回も楽しそうに繰り返し歌い、聖書の話もよく聞いてくれました。四人兄弟の上の三人は、信仰告白をしています。その子供たちにもう会えないかもしれない、彼らの幼い信仰はどうなるのか?と思い、私は落ち込みました。他のキリスト教団体がお金で引き抜く、仏教の迫害で信仰を失うなど今まで色々なことがあったので、そういうことは起こると分かってはいますが、やはり心が重くなります。
 しかし、世界を創られたのは唯一の神様で、イエス様の尊い犠牲によって私たちの罪が赦された事を、私もしつこいかなと思うほど彼らに繰り返し教える機会が与えられていたことは恵みでした。教える準備をしていて学年と年齢の違いや、家の手伝いで毎回来られない子をどうするかなど何度も迷い、挫折しかけましたが、その都度神様が助けてくださいました。
 ラーさん家族の信仰が、たとえどのような環境にあっても守られ、彼らの信仰がチャム族の村の人々に良い影響を与えることができるように。特にお父さんのラーさんの信仰が回復するようにお祈り下さい。(ひとみ)

【祈りの課題】
1.7月は関東地区で巡回宣教報告をします。裕三は8日から12日まで東アジアのある国にて、宣教の自由がない国で働く宣教師のための訓練会で奉仕します。安全と祝福のためにお祈り下さい。
2.ラー兄の信仰のために。また他の家族の信仰が守られ、唯一の救い主であるイエス様を信じ抜くことができるように祈り支えて下さい。

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