2012年12月号
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「キリストの謙遜を身に着けたい」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
二〇一二年、あっという間に過ぎた。様々なところを通りながら祈られていることの幸いと、祈りの力の大きさをひしひしと味わった。ここまで祈り支えてくださった皆様に心から感謝いたします。
さて、嬉しい再会があった。二十年前、シンガポールの国際本部の新人宣教師研修会で一緒だったシドニー出身のニコルソン師夫妻。今は台湾地区の現地総主事の重責を担っている。本国奉仕で一時帰国中、メルボルンへ巡回報告に来た折、会うことが出来た。あの時一歳に満たなかった長男のザックは誰が抱いても泣き止まなかったが、私に抱かれて不思議と泣きやんだ。ザックの専任子守役になったことが懐かしい。そのザック君、新年には結婚するとのこと。「あっという間の二十年だった。まだまだ新人だと思っていたのにね。」これまでの神様のご真実に感謝を新たにし、お互いのため祈りあって別れた。(たまみ)
先月書いたカルチャーショックのことを、ニコルソン師に話したら、「またか?おまえ」と言われてしまいました。渦中にある人にはそういうことは言わない人です。言っても大丈夫だと見抜いて言ってくれました。シンガポール以来、二十年経っても繰り返し学ばなければならないことは異文化で謙遜を身につけるべきこと。
この点でオーストラリアに来て以来、大きな助けだったのがバンドゥーラ長老教会です(バンドゥーラとは地域の名前)。七月、初めて出席した時、チェンバース牧師による説教で『伝道者の書』から「不確実で不条理な人間組織や社会に生きながらも、神を恐れ信頼せよ」と語られました。たまに神学生が説教当番に当たっても、難しい『伝道者の書』を飛ばすことはありませんでした。流行の心理学やエンターテイメントのような礼拝と一線を画した教会の立場に感心し続けて通っています。
官僚主義的な大学事務に翻弄され辟易していたところ、『ルカの福音書』の講解が始まりました。神を恐れて神の御心のままに委ねる貧しきマリヤの口に喜びの讃美が与えられたこと、天の栄光を捨てて謙遜の極限を示してくださったイエス様、このイエス様に対面する最上の準備は悔い改めであることが毎週語られています。
二つの大きな大学の中間地域に開拓伝道を始めて二十年になる教会です。日本のキリスト者学生会に相当するオーストラリア組織の主事も教会員として出席していることにより、留学生を含め大学関係者が多く集っています。ここでクリスチャンになり世界各地の母国へと帰って行きます。また五組の宣教師家族をアフリカやアジアに送り出している教会でもあり、ミェン族のために祈ってくださる方々も出てきました。クリスマスの祝福を祈りつつ。(達朗)
【祈りの課題】
1.文法研究の初期はミェン語音声資料を大量に聞き、正確に書き取ることに終始します。達朗師は若い時のドラム演奏のせいで右の耳鳴りが40年近くありましたが、オーストラリアに来て左の耳鳴りも始まりました。論文を提出するまで悪化しないように、御心なら癒されるようお祈りを。
2.たまみ師は1950年代のミェン語資料を当時の表記法から新しい表記法に書き換える作業をしています。これも論文執筆の貴重な資料になるので、250ページのタイプを正確に、またコンピューターの故障から守られて、なし終えることができるようにお祈りください。
「アジア異文化宣教学院」
シンガポール 佐味湖幸
七月三十日から十月十九日まで約三カ月間、アジア異文化宣教学院三十八回目のコースが開催されました。この学院はすでに神学校を卒業した人たちが異文化宣教について、知識だけでなく体験をもって学ぶところです。ここ数年、訓練生の申し込みが少なかったり、学院の建物を売却したりでコースを持つことが出来なかったのですが、今回は久しぶりのコースでした。しかし訓練生は少なく、台湾から二人、香港から一人のいずれも独身女性の参加でした。幾つかの宣教団体の宣教師たちが講師を務めますが、私は彼女たちがこちらの生活に落ち着くためのお手伝いを少しさせていただき、また「異文化の中でのチーム作り」について講義をしました。
初めの四週間は英語特訓コースです。台湾からのケリー姉が英語に自信がないという事で、本コースに先駆けて、この英語コースに参加しました。彼女はOMFの宣教師候補者で来年日本に行くことになっており、シンガポールに到着してからすぐに仲良くなりました。日本のドラマや映画に詳しく、そういう事に疎い私は逆に色々と教えてもらいました。驚いたことに彼女はそれら日本のドラマを観ることによって、日本語を覚えたというのです。日常会話はそつなくこなします。もう一人の台湾からの女性アマンダ姉は、中東にイスラム宣教のため、他の宣教団体を通して遣わされる予定です。静かな中に芯の強さを感じる女性でした。また、香港からの女性リン姉はジャーナリストとして、ある宣教団体の広報の仕事をしています。世界各地に散らばる同僚とのコミュニケーションが難しいと、私と同じ悩みを抱えていることを教えてくれました。講義のあった日の夜、私のアパートで夕食を共にし、独身女性として異文化の中で生活することの課題などについても分かち合いました。このコースの中で最も印象に残った(非公式ではありますが)話の一つだったと、後で分かち合ってくれました。これから宣教師として遣わされていく一人一人に主の祝福を心から祈ると共に、私が宣教師となる訓練の過程の中で労してくださった方々の事を思い、感謝しました。
今年一年の皆様のお祈りとご支援を感謝します。
【祈りの課題】
1.アジア異文化学院のために。卒業生ケリー姉、アマンダ姉、リン姉の今後の祝福と導きのために。様々な宣教団体の宣教師候補者たちが来年のコースに参加することができるように。
2.来年の活動計画の上に主の導きがありますように。南アフリカ、南米への訪問が予定されていますが、経済的必要が満たされますように。
「FCCリトリート」
カンボジア 今村裕三、ひとみ
九月最終週にカンボジア教会交友会(FCC)の役員会のリトリートを、タイ国との国境に近いコッコン州で行いました。普段忙しい牧師たちも奉仕先から離れて、四日間、じっくりこれからのFCCについて話し合い、祈り合いました。主な目的は、各地にあるFCCの群れの教会のリーダー同士の交わり、ビジョンと使命の確認、そして約十五年前に作られたFCCの会則の見直し。結果、お互いをさらによく知ることが出来、一致してこれからの宣教のために協力していくことが確認されました。宣教師としては、カンボジア語漬けで脳みそはパンクしそうでしたが、とてもよい交わりとこれからの方針を確認することが出来ました。これから実際に実行していくことが始まります。
また、十月初旬には日本に一時帰国し、母教会との話し合いの時も祝福され、来年から約一年間の本国奉仕(教会巡回など)の間に、どのように母教会と交わりを深めていくかということも確認出来ました。短い間でしたが、いつも祈って下さっている方々との交わりが与えられ、励ましを沢山受けました。残された今期のカンボジアでの奉仕の上に、神様からの知恵が与えられて、なすべきことができるようにお祈りに覚えて下されば感謝です。(裕三)
カンボジア人と一緒に旅をすると、次に何が起こるか分からない楽しさがあります。
今回のコッコン行きは牧師とリーダーの研修修養会のはずで、学びや会議で朝から晩までびっしり埋まった予定表でした。しかし、気がつくと滝を見にハイキング!船に乗って世界的にも有名なマングローブの森を散策!忙しかったですが、大まかには会の目的を果たしていました。帰り道は「あれ?行きと違う道」と思っていたら、遠回りをしてタイ国境の市場にお土産を買いに行っていました。
私の主な担当は子守(一歳半と三歳の、一緒には遊べないやんちゃな男の子二人)と女性の集会でした。女性は宣教師二人、カンボジア人が四人のこじんまりしたもので、お互いのことをよく知り合うことのできた有意義な時でした。
祈り合う時にそれぞれの家族の紹介をしながら、祈りの課題を分かち合いました。カンボジア人は家族の中で誰かは離婚していました。また、ある教会のリーダーは、ポル・ポト時代に両親と兄弟六人を全員失っていた事を初めて知りました。日常話しているだけでは分かることのできない、深い交わりを持つことができました。お祈り感謝です。(ひとみ)
【祈りの課題】
1.クリスマスの諸行事の祝福のために。特に子どもたちへの伝道の機会になるように祈っています。
2.カンボジア教会交友会の会則の変更のために、来年の早い時期に総会を開く必要があります。そのための準備が守られ、さらに現地の教会と働きのための交友会となることができるように。
「神のなさることは時にかなって美しい」
日本 西村信恵
いつもお祈りに覚えて下さり、感謝致します。これを書いている今日の午後、二人の方の洗礼式が海辺で行われました。証を聞き、彼らが神の家族とされる時を共に祝福することができたことは、とても嬉しく感謝なことです。
十月は宮崎の教会を訪問してきました。青い空にそびえるヤシの木、そこでの景色はカンボジアを思い起こす懐かしいものでした。本州では見たことのない広がる平野、冷や汁という食べ物、「イントネーション」のない日本語等、「日本」という同じ国でひとくくりに考えがちですが、それぞれの地方にある習慣や考え方はやはり違い、そこに遣わされている牧師先生方にとっては(地元でない限り)、そこは異文化を経験する宣教地なのだということを思わされました。
巡回させていただいた教会の内の宮崎清水町教会は、毎月一回を宣教祈祷会として行っており、OMF宣教師のためにと祈り会を進めようとされているところです。午後の祈り会も残って下さり、青年達とも交わることができました。二世のクリスチャンへの信仰の継承が難しい中、たくさんのクリスチャンホームが来ておられました。この宮崎の地での祈りが宣教の一役として用いられ、宣教の業も広がっていきますよう、どうぞお祈りください。
このニュースレターを読まれる頃は、クリスマスを迎えられる頃だと思います。この一年はまだ体の弱さを持つ私にとって、神様の恵みの中で生かされ、一歩ずつ歩んできた一年でした。また、ちょうど良い時に必要な方々と出会わせて下さり、ちょうど良い時に事を行ってくださった、神様のすばらしい業を見させていただいた一年でもありました。私たちの罪ゆえ、十字架にかかるためにこの世に来てくださったイエス様のお誕生を心からお祝いし、多くの方がこの愛を知っていくことができますようにとお祈りいたします。
【祈りの課題】
1.「東南アジアのイスラムを知るセミナー」が、12月2日は大阪の堺大浜キリスト教会にて、3日はKGKの集まりにて行われます。インドネシアから来られてお話をしてくださる宣教師のアンドリューさんのため、また、セミナーの祝福のためお祈りください。
2.支えてくださっている共に歩む会の方々、母教会の深川キリスト教会、家族のためにお祈りください。
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