2012年2月号
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「過去を振り返り、未来のために祈る −OMF北朝鮮祈りのレター刊行10周年−」
この十年間、北朝鮮に何が起こったのでしょうか。諸外国からさらに多くの専門家たちが、かの国で働くようになったでしょうか。北朝鮮の人々のための祈りはどのように変わったのでしょうか。
北朝鮮のための祈りのニュースレター(英文)は、神の恵みと導きの内に二〇〇一年十一月に創刊され、その後の十年間、北朝鮮について学び祈ろうとする人々のお手伝いを続けてきました。私たちは、この間に北朝鮮の人々のために多くの祈り手を起こして下さった主と、そのご真実に感謝しています。これから祈りのニュースレターから見た変化と、北朝鮮国内で起きた幾つかの変化を見ていきたいと思います。そうして北朝鮮の過去を振り返り、北朝鮮のために今後も続けて祈り、関わっていきたいのです。
OMFは二〇〇一年十一月にこの祈りのレターの発行を始めました。北朝鮮の人々も又福音が必要であり、たとえかの国に入国できなくても、祈ることができると思ったからです。それ以来、多くの北朝鮮人が国を脱出しました。二〇〇一年までは五百人であったのが、二〇一一年にはその数は二万一千人以上に達しています。それらの人々は脱北者と呼ばれています。
又、各国からの専門家が北朝鮮に入っていくようになりました。彼らは主にビジネスマンや人道支援、教育関連の専門家です。この中にはクリスチャンもおり、勤務地にキリストの香りをもたらし、地の塩、世の光として働いています。特別なビザなしに入国できる中国国籍の人々の中にも、クリスチャンがいます。
過去五年間で重要な出来事の一つは、以前よりも多くの情報が北朝鮮に入っているということです。韓国のことわざの中に、「井の中の蛙」(限られた世界しか知らないこと)というものがあります。北朝鮮はかつてまさにこの「蛙」でした。しかし状況は変わりつつあります。多くの北朝鮮の人々が中国、ロシア、ヨーロッパ、そして韓国の生活について情報を得ています。韓国のサッカーの試合や最近の韓流ドラマのビデオすら見ている人々もいます。外国について知れば知るほど、北朝鮮の国民は自分達の生活が全てではないのだと分かり始めています。
又、諸外国にとっても北朝鮮とその国民の生活が明らかになってきました。観光客の入国が可能になり、各国のマスコミも北朝鮮関連のニュースを掲載し、何よりもさらに多くのクリスチャンが北朝鮮のために祈るようになってきました。アメリカ、イギリスその他様々な国々で、人々の祈りの手助けとなるような祈りのレターが発行されています。又、多くの韓国のクリスチャンたちは、特に血縁の兄弟姉妹のために祈っており、このための特別な祈りのレターも増えています。二〇〇一年、OMFがニュースレターを始めた当初、送り先の数は七十程でした。しかし今、感謝なことにその送り先は六百五十以上に増え、又、各国のOMFがさらに先の祈り手にレターを送ってくれています。さらに各国には北朝鮮に焦点を合わせて祈っている祈祷会が幾つもあります。主は他国の神の教会のために、そして他国の人々が子なるキリストを通して父なる神を知るように私たちが祈ることを望んでおられます。北朝鮮のために神に祈っている多くの人々のゆえに主に感謝して下さい。
外部のウォッチャーや脱北者による北朝鮮についての書籍が多く出て来ており、『ピョンヤンの水槽』(著者は北朝鮮強制労働収容所で十年間を過ごしている)、『ここはパラダイスだ!』(脱北者少年の自伝)、『羨むことは何もない』(脱北者たちの証言による北朝鮮の生活実態)といった書籍も含まれています。クリスチャン小説家によるものは少なくとも『私は河を渡る』という一冊があります。有名な作品「クロッシング」を含め、北朝鮮に関する様々な映画も製作されています。OMFは二つの祈りの小冊子を発行しました。『チュチェの地』(二〇〇四年。日本では未発行)と『主の時』(二〇〇七年)はクリスチャンが北朝鮮について知り、祈るため、しかも一ヶ月間毎日続けて祈ることができるように編集されています。今年は三冊目にあたる『祈りのブックレット三』を、四月十五日に出版できるよう準備中です。この日は北朝鮮にとって重要な日とされているキム・イルソンの誕生日です。今まで発行した小冊子の幾つかは韓国、中国、ドイツ、オランダ、日本でも翻訳出版されています。北朝鮮について学び、祈っている世界中のクリスチャンのゆえに主に感謝しています。
過去十年間の政治的な出来事も北朝鮮に様々な影響を与えています。一九九八年から二〇〇三年まで大統領職を務めたキム・デジュン氏は、北朝鮮に太陽政策を実施し、北朝鮮に多くの支援を送りました。この政策は二〇〇八年まで続けられ、この間に北朝鮮は南東部の金剛山における観光事業を韓国側に許可しました。そうして韓国から(そして海外からも)観光客が多数訪れていましたが、二〇〇八年、韓国人観光客射殺事件が起こりました。その当時、より保守的なイ・ミョンバク氏が大統領に就任しており、事件後韓国政府は観光業を停止しました。
北朝鮮国内ではキム・ジョンイルが三男のキム・ジョンウンを任命し、三〜四十年前にジョンイル氏自身が父親から受けたように、次期後継者としての教育をしています。ジョンイル氏は、二〇一一年夏、農作物の収穫量減少により再び飢饉が国を襲ったにもかかわらず、北朝鮮をキム・イルソン氏の生誕百周年の二〇一二年四月十五日までに「強盛大国」にしようとしています。それでも、北朝鮮の動静を見守る人々の多くが、この記念日にからんで、推定年齢二十八歳前後の若きジョンウン氏がさらなるリーダーシップを継承すると見込んでいます。(註。編集時時点では、昨年十二月のキム・ジョンイル氏死去を受けて、公的にジョンウン氏が朝鮮人民軍最高司令官のポストに就きました)
北朝鮮内外で多くのことが起こっています。ますます多くの北朝鮮人が国を脱出し、多くのクリスチャン達が韓国やその他の国で脱北者に接触しています。そのような中、私たちが確信できることは、主イエス・キリストは、迫害下にあっても北朝鮮国内にご自身の教会を建て続けておられるということです。肉の目では余り見えないことですが、信仰の目を通して確信しています。北朝鮮のために祈って下さり、ありがとうございます。北朝鮮の主に従う人々が主を公に賛美し、主にふさわしい栄光を捧げることができる時まで、私たちがかの地の教会と人々のため祈り続けることができますように。
十年前に北朝鮮のためのニュースレターを創刊し、今も北朝鮮への働きのリーダーであるC師の挨拶より。
「使徒行伝二章のペンテコステの前には、一章に見られるように、初期の弟子達による心を合わせた、たゆまぬとりなしの祈りがありました。使徒行伝一・十四には「みな心を合わせ、祈りに専念していた」とあります。そのように、もし私たちが北朝鮮のリバイバルを本当に願うなら、この未伝の人々のために祈りを結集させる祈り手の輪をさらに広げていく必要があります。今、ニュースレターの創刊十周年を祝うにあたって、私たちは北朝鮮人のために祈る世界中の祈りの運動をさらに前進させるために、自らを再び神に献げなおそうではありませんか。
第一に、北朝鮮の人々のためにさらなる祈りを神の前に積まなければなりません。そのような祈りを促進するためには、北朝鮮人の必要や、祈りに応えて神が北朝鮮でなしておられるみ業について、もっと多くのクリスチャンが知るために、様々な言語と手段で情報を提供する必要があります。北朝鮮の祈りのニュースレターや祈りの小冊子、DVDはその方法の一部です。 第二に、私たちはさらに多くの祈り手がこのとりなしのわざに加わってほしいと思います。そのために各教会、各地域、各国に祈りのグループを作り、サポートしていきます。最後に、人々に北朝鮮への祈りに意識と関心を向けてもらうために、近い将来、北朝鮮のための祈りの週を設けたり、祈りの集会を持つ企画を立てたいと思っています。これらの働きと企画のためにどうか私たちと共に祈って下さい。」
特にキム・ジョンイル氏死後の北朝鮮のためにお祈り下さい。国民の命と生活を顧みる方向へ進むように。又、膠着状態の拉致問題においても良き前進が見られますように。さらに多くの北朝鮮の人々が救い主なるイエス・キリストに出会う機会が与えられますように。
※北朝鮮のための祈りの小冊子『主の時』をお求めの方は、日本委員会事務所までご連絡下さい。
「主に従うことを選ぶ」
日本 佐味湖幸
昨年十二月二十五日のクリスマスに私の母教会、大阪の昭和聖書教会で二人の方の洗礼式がありました。このお二人は大人になってからイエス様と出会い、信仰に導かれた方々で、その証は心を打つものがあり、本当に主の御名を崇めました。
男性の方は五十代で四年前に急に心臓発作で倒れられ、心臓が三十分以上停止状態であったために、高次脳機能障害という大変な障害を持つことになりました。しかし、先に信仰を持たれた奥様の祈りと看護のもと、ご主人はそれまで全く疎遠であったキリスト教の信仰に心開かれ、安西牧師のご指導のもと、はっきりとした信仰告白へと導かれました。その証は、知的に信仰を理解しているだけでなく、彼の魂が自分の命と魂を救ってくださった神様を本当に喜び、賛美している素晴らしいものでした。
また、もう一人の受洗者の女性は、子供の頃から低いセルフイメージと大変な苦しみの中を歩んできましたが、イエス様に出会って、始めはぼんやりとよくわからなかった信仰が時間をかけて、また色んな人の祈りと導きのもと、徐々にはっきりとして行った過程がよくわかる証をされました。お二人とも、みことばにしっかりと立ち、主に従うことを選んで洗礼を受ける決心をなさったこと、これからも信仰の友たちと励まし合いながら、主に従うことを選んでいく人生を送られるであろうことを思い、本当に嬉しい恵みの時でした。一月一日の元旦礼拝では聖餐式も持たれましたが、これらの新しい神の家族のメンバーたちと共に聖餐にあずかれたことは本当に感謝でした。
この年、新たに信仰に導かれ、それを公にして主に従うことを選び取っていく人たちが世界中で起こされますように!
【祈りの課題】
1.2月6日までは四国巡回訪問が続き、14日から23日までは市川のOMF事務所で仕事の引継ぎ、18日には「のぞいてミッション」という宣教集会があります。主の祝福がそれぞれの上にありますように。
2.この年も、新たに信仰に導かれ、信仰を公にして、主に従う人たちが世界中で起こされますように。また、私たち一人一人が霊的に目覚めて、主に従う道を選びとっていくことができますように。
「御言葉を土台として」
カンボジア 今村裕三、ひとみ
「教会員が三分の一になり、宣教師時代の方々はみんな出ました。パンダの消えた動物園のようでした。でも残った人たちはむしろ信仰が強くされて、なんとか聖書が語る教会の姿になっていこうと躍起になっています。」日本人の牧師先生から頂いたクリスマスカードの一部です。
教会開拓初期の宣教師時代に救われた方々の内、何割かは動物園のパンダに寄って行くように宣教師(外人)に惹かれ、神様へと導かれたのでしょう。そして何らかの原因があって教会分裂が起きました。しかし、日本人から神様へと導かれた人々は、確実に御言葉によって変えられ、教会は受け継がれて行こうとしています。
クラチェ教会は、宣教師からカンボジア人牧師に変わった時に多くの人々が教会を離れて行きました。その間、「辛い思い」と「これが通る道だ」という思いの間を行ったり来たりしていました。
人間関係だけを土台として教会を築いていくと、宣教師としては目に見える成果を得られ、たとえ辛い環境の中にあってもやりがいを感じることが出来るでしょう。しかし教会の根底を整え、次の世代の教会を作るのは神様の御言葉でしかあり得ないことを忘れやすくなります。
ストゥン・トラエンで教会開拓を始めるにあたり、三十年後に霊的に健全な教会を作り出すために何をなすべきか、と問われている気がしました。何がどう進むのか霧の中にいる思いがします。しかし、足元を照らして下さる神様の御言葉に頼りつつ、毎日を歩めるようにお祈りください。(ひとみ)
前回の家探しの旅で腰痛が出たために予定を一週間延期して、再度家探しに十二月上旬に行ってきました。前回のことがあるので、今回は一週間以上の滞在を覚悟して出発しました。土曜日の夕方、ストゥン・トラエンの町に到着し、翌日は町にある教会の礼拝に出席しました。礼拝が始まる直前、一人の姉妹が私たちの方に近づいてきて、「家を探してるんでしょ。一軒、借りられる家を知っているので、礼拝後見に行きますか?」私たちは半信半疑でその言葉を聞いていました。「何故、彼女は私たちが家を探していることを知っているのか。彼女は誰だろう。あれだけ探してなかったんだから、今回も余り期待できないかな。」という気持ちで礼拝後その家を見に行きました。何とその家はトイレも台所も備わっている家でした。簡単な修理で良さそうです。大家さんは居なかったのですが、その兄弟と話しつつ、信頼出来そうな大家さんだったので、契約書を交わしました。ストゥン・トラエンにやって来て二十時間後のことでした。
腰痛のためプノンペンで静養していた時に、御言葉から教えられました。私の神である方は私の限界を知っており、また子であるゆえに訓練して下さる。こんなに弱い者にも限りない愛を持って付き合ってくださる神様に感謝するとともに、これが駄目だったら次のオプションを考えてしまう私の特質に対して、神様からすぐに次の一手を考えるのではなく、神様の示して下さった恵み(今回のことは第一回目の視察旅行の恵み)にしがみつく一種の信仰のしつこさを持つように励まされました。決して頑なになるのではなく、神に全幅の信頼を寄せて歩むことを教えられました。皆さまのお祈りに感謝。(裕三)
【祈りの課題】
1.ストゥン・トラエンでの生活が始められたことに感謝。人と地域をよく知っていくことができますように。そして、友が与えられますように。
2.カンボジア教会交友会の新しい年の計画と委員会のために。忙しい牧師、リーダーの霊性が祝福され、御言葉に立った教会を建て上げられますようにお祈り下さい。
「福音を伝えるとは」
日本 菅家庄一郎、容子
同じ宣教師でも、その働き方は国によって様子が全く違います。昨年末に、宣教の自由のない国で働くある団体の会議に招待され参加してきました。この団体は、私がかつて働いていたOMFカンボジアの働きとは随分異なる働きをしています。
まず、公に福音を伝えることができません。しかし、知恵を用いて福音を伝えます。また、基本的に専門技術をもった働き人が政府のプロジェクトを助ける働きです。さらに、現地の教会やクリスチャンと協力します。宣教師や宣教団体のヴィジョンを持ち込むのではなく、相手の国の政府がしてほしいことをし、相手の国の教会の方針にできる限り合わせます。
かつて宣教師が植民地支配の手先として利用された時代がありました。その時代の後も、宣教師が自分達のヴィジョンをもちこみ、宣教師のやり方を強引に押しつけた時代がありました。しかしこの団体では、宣教地の政府の働きの必要に答え、宣教地の教会に仕える働きが進んでいます。
さらにこの団体の働き人の特徴は、主要な責任者のほとんどがアジア人だということです。共通の言語は英語と共に宣教地の言語が使われています。歴史的には深い傷をもつ中国人、韓国人、日本人が他のアジア人や西洋人と共に、互いに愛し合い働いている姿は、まさに福音そのものです。会議中、強調されていたことは「互いに愛し合いなさい」という言葉でした。
これからは、宣教の自由のない国へ働き人を送ることがますます多くなると言われています。主は新しい時代に、新しい人材を用いて、新しいわざをなしてくださっていることを肌で感じて日本に戻りました。(庄一郎)
昨年の婦人クリスマス会では、婦人たちがそれぞれの賜物を用いて素晴らしいチームワークで共に奉仕しました。フラワーアレンジメント、茶菓、部屋の設営、準備することはたくさんありますが、一番大事な準備は、友人のために祈り、お誘いし、お迎えすること。四十名近い未信者の方が集いましたが、皆さんの心が開かれていたのは、すでにあるクリスチャンの友人との信頼関係ゆえであると思いました。日ごろ私たちが周りの方々とどのように関わっているかが大事だなぁ、と思いました。
私はメッセージの奉仕を通して、イエス様が私たちに本当に必要な、またぴったりの神様からのプレゼントであることをさらに示されました。私たちに分かるように父なる神を解き明かされるお方、私たちを理解し、弱さに同情できる神と人との仲介者・大祭司、そして私たちの背きの罪のための全きなだめのいけにえ。こんなにぴったりで、尊いプレゼントが、まだなんと沢山の方に受け取られていないことでしょうか。受け取られますように。聖霊様、お働き下さい。
年始に帰省した際、ある親しい友人とゆっくり話す時間が持てました。子育ての葛藤の中、親に顧みられず道に迷う子供達、若者たちの現実に触れ、「一番福音が必要な人たちに福音が届かない」と心痛めて分かち合ってくださいました。これは、主の御心の痛みだと思いました。今朝語られたみことばは「公義と正義を行い、かすめられている者を、しいたげる者の手から救い出せ。」(エレミヤ二二・三)私の心を開いてくださいと祈っています。お祈りください。(容子)
【祈りの課題】
1.2月6〜7日のOMF日本委員会のためお祈りください。新しく宣教師になる候補者の審査、各議題の上に主の御心が示されますように。
2.2月8日〜10日まで、庄一郎師は日本大学KGK春合宿で奉仕します。「交わり」がテーマです。よい準備ができますように。
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