2012年1月号
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「神のご目的を達成するために −カンボジア−」
メアリー・ハーグ師が初めてカンボジアに到着したのは一九九六年です。OMFカンボジアはまだ若いチームで、彼女は最も初期のメンバーの一人です。しかしその三か月後に彼女のお姉さんが殺害され、メアリー師は急遽アメリカに戻りました。一九九七年一月、彼女は義兄の裁判に臨み、妻を殺害した容疑で義兄は有罪判決を受けました。その後三年間、メアリー師は「邪悪な人間にいったいどのように接したらよいのか?」「神は本当に信頼し得るのか?」といったような問いと格闘し、母教会はそんな彼女を支え続けました。そしてメアリー師は、神がご自身のご目的を達成するために悪人すら用いられることを学び、神の英知と善性を信頼できるようになりました。
二〇〇〇年、メアリー師は再びカンボジアに戻り、その後三年間を英語教師として過ごしました。その間彼女は神が多くの素晴らしいみわざをなさる様を見ましたが、再び神は彼女をカンボジアの外へ導かれました。今度は激しい背中の痛みによるものでした。その後彼女はシンガポールで八か月間床に臥し、続く三年間もアメリカで過ごすことになります。しかしこの間、彼女は将来カンボジアで心を病む人々のために働きたいと願い、二年間でカウンセリング修士を取る学びを始めました。
不安感、うつ病、ストレスはカンボジアの深刻な問題となっています。このような状態になった時、カンボジア人はまずお寺に参拝に行ったり、カンボジア人の霊媒師に助けを求めます。それでも改善が見られない時、人々は初めて医者に行きますが、そこで医者から様々な色の多種多様な薬がぎっしり入ったプラスチックの袋を渡されるのが常です。その薬がどのように効くのかはもとより、それらがいったい何の薬なのかも医者は教えてくれません。そしてそれらを全部服用すると、患者はまた何もわからないまま、同じ袋いっぱいの薬を買うことになるのです。精神科医への紹介システムも説明責任のチェック機能も精神病患者が入院できる病院もカンボジアには存在しません。社会にとって精神病患者は多くの場合、恐れられ、疎んじられるものであり、悲しいことにそれは教会も例外ではありません。イエス・キリストの憐みが必要です。
お祈り下さい
◆カンボジアの神の教会が癒しを体験し、主の恵みを社会へと広げていく存在となれるように。
◆カンボジア人のカウンセラーの育成のために。よいインターン生がさらに与えられるように。
◆メアリー師は昨年十一月に一年間の予定で再びアメリカに戻りました。母国で経済的にしっかりと支えてくれるサポートチームが与えられるように。よき休息のために。そしてよい巡回報告が与えられ、母国の人々に彼女の働きがよく理解されるように。
◆メアリー師が語学の学びとカンボジア人へのカウンセリングの仕方を学んだ四年間、主が驚くほどの助けを与えて下さったことに感謝。
◆精神病的症状が見られたため、メアリー師がカウンセリングをしていたあるカンボジア人クリスチャンが、今では同じように精神面で困難を覚えている同じ教会のメンバーたちを助けたい、という思いを持つようになったことのゆえに主を崇めます。
◆現在、カンボジアで精神病患者が滞在できる場所は、仏教寺院しかありません。教会がこのような必要に対して応答していくことができるようお祈り下さい。
「負傷兵看護」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
主の年二〇一二年、それぞれに新しい出発、出会いがあることと思います。
我家のインターン神学生の貴(たかし)君。今月末をもって研修期間を終え、パヤオ聖書神学校に帰る予定です。今まで彼のためお祈りくださり感謝します。
タンマジャーリク教会の教会員や、子供達、また子供達を教会学校に送っている信者ではない親達から「貴君の教え方、すごく分かりやすくていい」という評価をいただきました。彼は三月に短大相当レベルを卒業予定、そして、続けて四年目(学士課程相当)の学びに入る予定です。
学びの後、どのような形で神様に仕えていくか今から祈り求めています。貴君の長所が更に磨かれ、ふさわしい働きにつくことができるようにお祈りください。何よりも、油断せず、誘惑に負けることなく、インターンを無事終了し卒業できますように。そして、四年目の学びが将来のため更に良い備えとなりますように。またふさわしい伴侶が与えられますようにと祈っています。 (たまみ)
貴君を無事に神学校へ送り返すことができそうな兆しが見えてきたとき、今度は…。
今度は牧師の処分です。他県のミェン族教会の牧師が教会戒規に触れて謹慎期間を過ごすことになりました。その教会の役員会からアドバイザーになるように依頼を受け、相談のためすでに数回出かけました。教会は牧師のこの種の罪に関して辞任を要求するほどではないけれども、キチンと謹慎処分に服してほしいと判断を下しました。
「懲戒処分」とか「謹慎処分」は、罪が表面化する以前にそこへ向かわせるどのような傾向や癖があったか認識させて、それらの一つ一つに関して具体的な告白と悔い改めに至るように援助していくものです。
ミェン族牧師の中でそれができるのは、現在のところ、去年私たちの帰国中に貴君を預かっていただいたウワンクワン師一人でしょう。チェンマイ・ミェン宣教教会のジェムエン師もそうなりつつあると思います。それができる牧師が増えるように祈りますが、そもそもこんな問題は起きてほしくありません。
でも期待していることは、現在処分を受けている牧師自身が回復後、同じような過ちを犯した人に親身になって寄り添い立ち上がらせることができる人になってくれること。そしてそのとき、彼が甘い判断をしないように、今厳しい処分を徹底的にへり下って受けること。このためにお祈りください。
このような矯正や励ましは、本来なら一年くらい寝食を共にしながらすべきですが、今回の件では限界があります。バプテスマ希望者が五人起こされているタンマジャーリク教会を留守にしすぎることなく、他県の教会も助けることができるようにお祈りください。(達朗)
【祈りの課題】
1.1月2日〜4日、超教派のミェン族牧師研修会のため。テーマは「神のしもべたちは手を携えて」。ウワンクワン師とグエイツォイ師が担当するミェン族伝統宗教に関するセミナー、達朗師の2晩の説教奉仕が祝福され、霊的戦いに強い牧師たちへと質の向上が図られますように。
2.ハーバート・パーネル師は約800ページの『ミェン語―英語辞書』の校正を終えて原稿をバンコクの出版社に送りましたが、洪水の影響でいつ印刷できるか分かりません。バンコクはじめ中央タイの被災地が早く平常の生活に戻ることができますように。速やかに辞書が出版されますように。
「新しい働き」
日本 佐味湖幸
主にあって新年明けましておめでとうございます。
旧年中は教会訪問を通して、たくさんの方々とお会いし、励ましを受けましたことを感謝します。
私はこの三月末にシンガポールのOMF国際本部に移り、新しい働きを始めることになりました。新しい働きは、大きく分けて二つあります。まず、一つ目は、「ニューホライゾンズ(新しい地平線の意味)」という分野で人材コーディネーターという働きをします。これまでOMFの宣教師は欧米、アジア諸国から派遣されて、東アジアと世界に散らばる東アジア人宣教を行ってきました。近年、南米、東欧、アフリカ諸国など、これまでOMFを通して宣教師を派遣してこなかった国々から、東アジアでの働きに関心をもち、短期、長期の働き人として働きたいという問い合わせが多く寄せられるようになってきました。これらの国々を「ニューホライゾンズ」と呼んでいます。それらの国々には、候補者を審査し、派遣するための「‥‥委員会」という派遣組織がありません。そこで、それら問い合わせをしてくる方々がふさわしく導かれ、宣教地に行くまでのお世話をするのが人材コーディネーターの役割です。この五年間、日本から短期宣教に行く人たちのお世話をしてきましたが、これからは、国籍も言葉や文化も全く違う人たちのお世話をすることになります。
もう一つは、アジア異文化訓練学院(ACTI)での働きです。この学院は、主にアジア諸国から神学校をすでに卒業して、これから宣教師になる準備をする宣教師候補者の方々のために異文化宣教の訓練をします。訓練生は、まず共通語の英語で共同生活をすることから異文化訓練が始まります。私はその訓練生の方々と生活を共にし、彼らを導く舎監のような役をすることになっています。一年に二回、各十二週間のコースがもたれます。
どちらの働きも、これから宣教師になる人たちを助け、訓練する働きです。知恵と洞察力、忍耐と愛が必要と感じています。久しぶりの熱帯での生活。体力も必要です。皆様のお祈りをよろしくお願いします。
【祈りの課題】
1.1月10日から23日までは沖縄、1月23日から2月6日までは四国で教会巡回をします。よい出会いと交わりがあり、さらに宣教のために祈る方々が起こされるように。
2.2月18日(土)午後2時から市川のOMFセンターで、「のぞいてミッション」という宣教集会をする予定です。佐味師の第五期派遣のための壮行祈祷の時も持つ予定です。アジア宣教に関心のある方々が集い、よい交流の時となりますように。準備のためにお祈りください。
佐味湖幸師の新メールアドレス: koyuki.Sami@omfmail.com
「御心に従って」
カンボジア 今村裕三、ひとみ
新年おめでとうございます。今年も主にあってよろしくお願いします。
カンボジアでは計画通りに進まないことが多いです。祈っていただいたストゥン・トラエン州への引っ越しは延期になりそうです。先日、借りる家を探しに行きましたが、見つかりませんでした。そもそも外国人に貸してくれる家が少ないことに加え、私たち二人住まいにちょうど良いサイズの家がないのです。カンボジアの田舎では家の中にトイレや台所がないことが多く、外国人が借りる場合は、家の中に作ってもらったりします。また防犯上の理由で、ドアを一つ増やしてもらったりもしなくてはなりません。最初の調査旅行が予想以上に祝福されたものとなったので、今回の家探しの旅の結果には正直ガッカリしました。一瞬ですが、神様がこの地に導かれたのは私たちの勘違いだったかと思いました。しかし神様の恵みによって、神様のご計画の中にあることを平安の内に受け止めることができました。この号が出るまでには家が見つかり、必要な修繕などが進みつつあることと期待しています。片道八時間以上かかるので肉体的にも疲れる旅になりますが、体調、特に腰痛(ヘルニアの既往あり)が再発しないように祈って下されば幸いです。毎日の生活の中で神様の主権を覚えつつ、従うことができるように祈りに覚えて下さい。 (裕三)
「私の心は傷だらけ」と言う、ポチェトン教会長老のポラー姉の手を握って、二人で三十分ほど何も言わずに泣きました。何か言うべきかと思いましたが言葉が見当たらず、無理に何かを言う事もないと示され時を過ごしました。
その日は「カンボジア教会交友会(FCC)の女性リーダーの集い」の二回目でした。会自体はとても祝され、良い交わりの時を持つことが出来ました。
泣いていた理由は、ポラー姉とソムナン牧師の衝突です。彼らは十年以上も衝突・和解を繰り返しています。どちらも弁が立ち、一言余計なことを言って更に問題を生み出して来ました。今や多くの人を巻き込んだ問題となっています。私は両者が別々の場所で神様にお仕えすることが、互いの成長のために良い事ではないかと祈っていました。そして最近、新たな問題が起こり、ポラー姉は「教会を出る」ことにしました。
ポチェトン教会とは別の問題ですが、現在ポラー姉は「FCC女性の集い」の全体のまとめ役をしてくれています。ポラー姉がポチェトン教会を出ることになれば、今後彼女の立場を考えないといけません。ポラー姉がいると、ポチェトン教会の他のリーダーで彼女と問題がある人が参加しにくい可能性も出てきます。繊細な問題です。神様の声をよく聞き判断できるように、またポラー姉を含め、ポチェトン教会で心が傷ついている人たちの癒しのためにもお祈りください。(ひとみ)
【祈りの課題】
1.新しい年も神様との交わりが祝福され、主の臨在の中で歩めますように。私たちのカンボジア語と文化のさらなる学びのために。また、夫婦の歩みの祝福のために。
2.ポラ-姉とソムナン師が互いに行き過ぎた言動を謝罪し、和解した上でお互いの祝福を祈ったことに感謝。今後のポラ-姉の信仰生活のために。
今村師夫妻の新メールアドレス:裕三師 yuzodtc@gmail.com ひとみ師 hitomidtc@gmail.com
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