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2010年12月号  page1  page2


「橋渡し役」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江

ブリッジビルダー(橋かけ人)一泊リトリート 祈りの友の皆様も十二月の忙しい歩みの中にあられることと思います。この年も忠実なお祈りをありがとうございました。主の励ましが豊かにありますように、一つ一つの祈りに主が豊かにお報い下さいますように、お祈りいたします。
十月初旬に行なわれた、シンガポールでのディアスポラ伝道部リーダーシップ・チーム会議。六月に着任したキャロリン・ケンプ部長は、宣教国/地域の責任者の中では初の女性部長になります。その下で、三人の男性がイギリス・アメリカ・ニュージーランドから、私が日本からと、集まった新体制初の会議でした。最初の二日間はチーム作りのための訓練を受け、大変和やかに、互いに打ち解け、心を一つにして話し合いを進めることができました。
世界中に散らばる、母国以外の地に住む東アジア人を対象とするディアスポラ伝道。アフリカにおける中国人伝道が一つの大きな案件でしたが、良い人材が与えられ一歩進めることができました。広いアフリカ大陸のどの国(地域)に絞るか、どのような宣教団体や教会と、どのように協力関係を築いていくかが今後の課題です。
十月二二〜二三日ともたれた在欧日本人宣教会主催のブリッジビルダー一泊修養会も二十名の参加者が与えられ、第一回の昨年とはまた違う恵みをいただき感謝しています。使徒九章から、アナニヤとバルナバが、橋渡し役としてどのように用いられてパウロを教会に繋げていったかに教えられ、これを帰国者への働きに生かせるよう互いのために祈りました。
夫が主任牧師である東京新生教会では、複数の養護学校の校長を歴任した信仰者を講師として迎え、伝道目的の特別講演会を行ないました。障害者と共に歩む社会を願い、そのような教会を目指す時、「その人の目線に合わせる、無理をさせない、無理をさせられるのは誰だって辛いでしょう」という講師の言葉が心に残りました。帰国者の課題も同じだと思わされたことです。

【祈りの課題】
1. ディアスポラ伝道部は母国を離れて暮らす東アジア人を対象としています。アフリカにおける中国人伝道に関する計画が進められています。適材適所で事を進めていけるようお祈り下さい。
2. ディアスポラ伝道部の働き人のほとんどが母国で奉仕しており、「宣教師は海外で働くものだ」と考えるクリスチャンが多いせいか、働き人自身の経済的必要が満たされない場合があります。各月15日を、そのために祈る日と定めました。祈り覚えていただけると感謝です。


「雨降って」
カンボジア 小川文子

卒園式その1 卒園式その2 待降節の頃、お忙しい中かと存じますが皆様いかがお過ごしでしょうか。いつもお祈り頂き、本当に有難うございます。ニャックルアン教会開拓チームに加わって三ヶ月、季節は雨期から乾期になりました。寒さには慣れているはずなのに、二十五度前後で寒い寒いと言っては笑われています。
ベテランのチョー夫妻が帰国する直前は、教会で色々な問題が持ち上がったり、ポーター夫妻が二回も車をぶつけられたり、体調を崩す人がいたり、精神的にもチーム全体が嵐にあっているような時期がありました。最も顕著な御業が起こっているプラサー村の伝道にも妨害が起こり、担当三名のうち一人が進学、一人が父親の反対で参加できなくなり、ヌーンちゃんも突然首都に引っ越してしまいました。
犬も参加 でも十七歳の子が一人で毎週子供にお話をしており、洗礼を受けたばかりの女の子も手伝ってくれ、新しい子達も来ています。幼稚園も先生が一人辞めてしまいましたが「私たち三人なら何でも出来る」と残されたクリスチャンの先生方は言っています。嵐は去り、今は新しいチームと教会がそろそろと手探りで歩んでいる状態です。クリスマスに向けてまた次の嵐が来るかもしれませんが、皆が手を取り合って、堅固な城壁のように立ち続けていけますよう、なおお祈り頂ければ幸いです。感謝して…。
雨漏り
【祈りの課題】
1. ニャックルアン教会の幼稚園は2年目を迎え、10名ほどの新入生を迎えて20名ほど、全員クリスチャンの先生(ただし3名のみなので大変)で始めることができました。あと10名の新入生を願っています。
2. ニャックルアン・チームの交わりが守られていることを主に感謝します。この一年人の目には頼りない状況に置かれることになるこの教会ですが、弱さの中で主が働いてくださりこの時を通して、教会員一人一人が主に拠り頼み、信仰が成長しますように。


「福音を委ねられた若者達」
日本 菅家庄一郎、容子

東京大学で学ぶNさんと クリスマスおめでとうございます。
今年も総主事としていろいろな方々との出会いが与えられ感謝しています。カンボジアで大学生伝道をしていましたので、特にアジアからきた留学生との交わりが与えられると心がウキウキします。
インドネシアから日本にきて医学を学んでいるNさんは、インドネシアのKGKから紹介されていたのですが、先日我が家にお招きしお交わりをすることができました。ホームシックにかかったりした時期もあったようですが、やっと最近元気になってきたと言います。
東京の大学の修士課程で地球規模の保健衛生について学んでいますが、将来は、その知識を用いて東南アジアの貧しい国で働きたいと願っています。また、どうやったら他のアジアから来ている留学生に福音を伝えることができるか考えています。
いつも笑顔を絶やさず、自分の学びを貧しい人のためにと考え、また他の留学生の救いを考えているNさんを見ながら、このような学生がもっと増えていくならば、世界はどれほど変わるだろうかと思わされました。
日本で学ぶクリスチャン留学生は、宣教団体を通さない宣教師達です。彼らのために何かしたい、励ましたいと言う方は、どうぞご連絡ください。(庄一郎)
ある教会の宣教セミナーに招かれたところ、献身を表明している三人の若者が色々な質問をもって話に来てくれました。それぞれユニークな賜物と関心が与えられており、忠実に教会に仕え、訓練をうけておられました。これから主はどのように一人一人を導かれるか楽しみです。
また、ある青年は、教会の仲間たちと駅前に行き、「聞き屋」を始めたところ、それが今では多くの人を巻き込むボランティアとなっているそうです。街ゆく人の話に耳を傾けて何が見えてきましたか、と尋ねると、「孤独、家庭の崩壊」という答えが返ってきました。「伝道、ということを考えずに、純粋に人の話に耳を傾けたら、図らずも多くの人が信仰に導かれた。これは本当に逆説的です。」「クリスチャンの中で完結したら終わりだと思っています。イエス様が来られたのも、教会の外の人のためですから。」彼の言葉に心探られました。
夏の短期宣教旅行、宣教大会に行った二人の姉妹が、宣教祈り会を始めたい、と集まり、今後のことを話し合っていました。おばちゃんは出しゃばらないように、と自らを戒めながら、にこにこ顔で神様の祝福と導きを祈りました。
二十年近く前、今は天に帰られた入船尊先生(もとインドネシア宣教師)が、「若い人を励ます人を励ましたい」と、KGKの主事になったばかりの私をわざわざお家に招いて御馳走して下さったことがありました。どれほど多くの信仰の大先輩達に祈られ、励まされ、育てられてきたことでしょう。このバトンを次の世代に、しっかりと渡していきたい、と思わされるこの頃です。(容子)

【祈りの課題】
1. AFMCやタイ宣教に参加した若者が集まって宣教のための祈り会を始めました。継続して集まることができますように。
2. 東京大学医学部で学ぶインドネシア人のNさんのために。友人たちによい証ができますように。修士課程を終えた後は、将来、貧しいアジアの国で知識と経験を生かした奉仕したいと考えています。主の導きがはっきりしていきますように。


「ミェン語聖書普及のため」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

東洋ローア・キリスト伝道教会・名古屋伝道所の皆さんはタイのろう学校について質問してくださいました 国連地球生き物会議が行われていた時、私たちはその開催地名古屋の諸教会を訪問していました。「二〇二〇年までに生物多様性の損失をゼロに」と謳われていました。
ことばも死滅しつつあります。世界には六千以上の言語がありますが、今のまま対策をとらないなら三千言語があと百年で絶滅する、という予測があります。地球生き物会議の言語版がユネスコ、言語学者、教育者、環境問題運動団体などによって世界各地で行われています。教育者や環境問題の専門家が関わっているのは、言語多様性の損失には必ず人権の蹂躙やその民族の生活環境破壊という問題が関わっているからです。
さてミェン語聖書の翻訳が行われていたのは、一九七四年の第一回ローザンヌ会議を受けて世界の教会が未伝の民族への宣教を強調し、異文化宣教に励んでいた三〇年間でした。ミェン語聖書翻訳が完成した今、私の世代の宣教師とミェン族のクリスチャンたちの責任は完訳した聖書全巻を全てのミェン族に普及させることです。
タイとアメリカの若い世代のミェン族はその必要に応えようとしています。そのためにはミェン語聖書を熟知していなければなりません。ところがこの世代は宣教の情熱はあるものの、英語やタイ語の影響を受けてミェン語が不十分。
そこで彼らがミェン語を学び直し、主の役に立つしもべとなることができるように、純粋なミェン語の詳細な記述文法を博士論文の水準で書くことを祈っています。
これができれば、アメリカで準備中の『ミェン語-英語辞書』を『ミェン語-タイ語辞書』に翻訳することができます。辞書ができれば準備中のミェン語幼稚園が政府に信用される質を持つようにすることができます。ミェン族の言語権と生活環境の保全にも資するはず。いや神に造られた人間らしい人間としてミェン族が生きるためには聖書が不可欠。
今年十月の第三回ローザンヌ世界宣教会議で採択された「ケープタウン決意表明」の一文にこうあります。「宣教のさまざまな動機の中で最も高きものは大宣教命令への従順でもなく、滅び行く罪人への愛でもない。宣教の最高の動機は熱烈さである−灼熱する情熱、たぎる情熱で追及するイエス・キリストの栄光である。」
宣教第五期は言語学博士号取得のためにも用いたいと願っています。ミェン族がミェン語聖書に従い、これを広め、イエス様の栄光を現すため。お祈りください。

【祈りの課題】
1. 10月の愛知県、岐阜県、三重県の諸教会でのデピュテーションが祝福されたことを感謝します。子供や青年が成長し活躍している教会が比較的多いようでとても励まされました。この地域のこの世代の人たちの守り、成長と献身者輩出のためお祈りを。
2. 12月下旬から3週間デピュテーションを休み北海道ですごします。親たちに福音を伝えることができますように。


「日本の秋は、祭り…?」
日本 佐味湖幸


アセアン・ウィークにて。かつて短期宣教プログラムに参加した青年たちと私 私の住む大阪府中南部、泉州地域は「だんじり」文化圏。九月終わりから十月、毎週のようにあちらこちらの地域でだんじりが賑やかなお囃子と共に町中を駆け巡り、異教社会にいることをつくづくと感じる。このエネルギーと地域社会への影響力が教会にもあれば…とため息をつく。
同じ頃、堺市で「アセアン・ウィーク」という催しがあった。タイ・ベトナム・カンボジア・インドネシア・フィリピンなどアセアン諸国の踊りや音楽が紹介され、各国の食べ物が屋台で売られた。これに堺市周辺に住むOMF短期宣教プログラムに参加した青年たち三名と、MBの宣教師支援会の方、バプテスト連合の田原宣教師と私、アジア好き六人が集まった。それぞれ好きなアジア料理を買ってきて、「これちょっと、味見させてね」と、互いの皿に箸を突っ込みながら、田原宣教師のフィリピン宣教の様子や互いのアジア経験を分かち合った。あいにくの雨風で寒い日だったが、このテーブルだけは、アジア宣教の熱を帯びて賑やかに盛り上がった(?)。
その次の週は堺祭り。宣教師ザビエルが渡来し、堺に居を構え、宣教の働きをしたことを記念して南蛮行列が行われ、自由都市堺を祝う祭りだ。今年度、宣教史の本を何冊か読んで、ザビエルはやはりすごい宣教師だったな、と思わされることがあったので、教会の友人を誘って、ザビエル公園へ。ここでもインターナショナル・フードの屋台が並んでいた。インドのココナッツ入りナンとタイのマンゴージュースに満足。
そして、十月最後の祭り、大フェスティバルは、大阪城ホールで行われたフランクリン・グラハム大会。連日、素晴らしい音楽プログラムとフランクリン師のストレートな伝道メッセージに、多くの人が信仰の決心に導かれた。天ではどれだけの天使が喜びの歓声をあげ、お祭り騒ぎになっていただろうか。
皆さんがこれを読まれる十二月はクリスマス。商業主義という異教の祭りから日本が悔い改めて、真の救い主イエス・キリストの誕生を祝う時となるように、心から祈る。

【祈りの課題】
1. フィリピン、ピリ聖書教会のロニー姉のためにお祈りください。首に腫瘍が見つかり、ガンと診断され、1月に手術を受ける予定で待機しています。主からの平安があり、また、必要のすべてが満たされますように。
2. 私たちの救い主イエス・キリストのご降誕の意味を知らない多くのアジアの人々が、キリストと出会うクリスマスでありますように。

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