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2010年10月号  page1  page2


「カン(CAN)の中で」

 こんにちは、私はジョン・スミスといいます‥‥といってもお察しの通り、これは本名ではありません。実は私はOMFの働き人で、私たちがCANと呼ぶ国で働いています。CANとはクリエイティブ・アクセス・ネーションの略で、クリスチャンが宣教師として入国することが法的に許されない国のことです。
 このような国にクリスチャンの私が入る唯一の方法は、普通のビジネスマン―つまり実際に投資、従業員、予算、請求書などにかかわり、願わくは将来利益を上げられるようビジネスを展開する人間―として入ることです。
 現在私が働いている国の政府は、ビジネスマンとしての私を歓迎しています。この国に来てから様々な書類を提出しましたが、そのほとんどに「宗教は?」と問う欄があります。そんなわけで人々は私がクリスチャンだと知っています。それでも私の仕事ぶりを認めてくれているので、人々への伝道は望まないものの、特に何も言いません。
 「信仰のことはとりあえず脇において、ビジネスに徹しなさい」ともよく言われるのですが、私はこれは「人に従うより、神に従うべき」(使徒五・二九)事だと思っています。
 そういうわけで、ビジネスを軌道に乗せるべく働く一方で、私は御国の前進のための機会も探し求めています。もちろんビザを取り上げられない範囲においてですが!
 仕事や生活において誠実であることは、CANで働くクリスチャンにとって大事です。決して嘘はつかず、もしこの国の兄弟姉妹の立場を危くするような質問をされたら、ただ沈黙を守ります。そしてその国の法律も守ります。
あなたの専門職は歓迎しますが‥‥  今私が働いている国では「信教の自由」が憲法上に謳われています。しかし、地元当局者らは「クリスチャンの伝道は、それがどんな形にせよ、この国の信教の自由を侵害するものだ」と解釈することもあるのです。「クリスチャンの活動は、明らかに自らの主張を押し付けてきて、人々の権利を侵害するものだ」というのが彼らの言い分です。(実はキリスト教に対して脅威を感じているというのが政府の本音です。それは、クリスチャンが政府よりも高い権威に従い、キリストを否定するくらいなら、むしろ死を選ぶ覚悟すらあること、そしてキリスト教は政府が支配しえないコミュニティを意味するからです。)これは「神のものは神に返す」(マルコ一二・一七)よりも「カエサルのものをカエサルに返す」方を重んじる非キリスト教政権下の人々にとっては脅威です。
 しかし、当局者たちが自国の憲法の信教の自由を支持しなくても、私の方はこの国の憲法に信教の自由が明言されている以上、現在自分が属している地域社会で、自分の信仰を生きる自由があるという思いに立っています。
 このような中で私は一生懸命働いています。誰に何を言うかについて注意し、私や周囲の兄姉の立場を危いものにしないようにしています。
 もちろん「あなたの専門職や経験は欲しくても、あなたの神はいらない」と言う国で生きることにはいろんな難しさがあります。今住んでいる地域で聖書に根ざした地元の教会を立ち上げられれば、と思うのですが、それこそが政府が最も嫌うことなのです。
 この国に着いて以来、秘密警察からの訪問を幾度も受けるようになったのも、当然のことです。彼らは一般人のような服装でやって来ますが、普通の近所の人なら何の興味も示さないであろう事柄に、異常なほどの関心を示すことで、それとわかります。入国して最初の年、ある男性が毎週のように訪ねてきました。彼が何でも根ほり葉ほり聞きたがるので、「何か意図があるな」と思った私は、それ以来彼が家に入って来るなり、山のような情報を浴びせるようにしました。彼が最初の質問をするよりも前に、私が今日どこへ行ったか、何を見たか、何を買ってそれぞれにいくら払ったか、母国に関する私の意見など、大して役にも立たないような情報を矢継ぎ早に与えたのです。気の毒な彼は飽和状態になってしまいました!
 同時に私は彼の友達になろうとし、彼の家族について尋ね、連れてくるように言い、事実彼は家族を連れて来ました。又、この親しくなった「スパイ氏」の履歴書作製などの手伝いもしました。そして以前は余りに頻繁で内心迷惑に思っていた彼の訪問が、いつしか緊張もゆるみ、私も時間の無駄とは思わなくなり、さらには、彼をやがては主にある兄弟となる可能性を持つ人間として見られるようになりました。
 手紙も検閲が入りますが、自宅宛に届く個人的な手紙ではなく、プレゼントの小包だけ受けるように注意しているので、問題はありません。検閲者は内容を見るだけで没収はしません。電話やメールも調べられています。多少ストレスは感じますが、ここではごく普通のことと思って、気にしないようにしています。
 数ヶ月前、私よりもはるかに厳しい状況にある地元のクリスチャンと話をしました。彼は「政府があなたを気に入らなければ、ただ国から追い出すだけだけど、私の場合は刑務所行き、又はもっとひどいことになるでしょう。」と言いました。
 彼のアドバイスは簡潔なものでした。「『あなたがたの光を隠すのではなく、全ての人が見えるようにしなさい』とイエス様は言われました。それが僕たちのすべき事なんです。」 これはもちろん、よいアドバイスです。でも私のさらなる問いは、うかつなことをして兄弟姉妹を嘆かせるようなことをせずに、どうやって光を輝かすか、ということです。CANにはキリストのゆえに今も日々苦しんでいる兄姉たちがいます。神がご自身の目的のために、彼らの苦難を用いられることはわかっていますが、私がその苦難を増し加えるようなことはしたくありません。
 「いつもどんな人も友人として見てください。」と彼は言います。「安全な信頼できる人と思って下さい。猜疑心や恐れから判断しないように。恐れから出る決断は間違ったものです!」賢い言葉だと思います。 さらに彼はこう私に言いました。「生活を通して心の底から人々にキリストを指し示して下さい。」「もし彼らが福音を憎むなら、それはやがて明らかになるでしょうから、それを合図として退くのです。でも愛をつらぬいて失敗する方が、慎重すぎるよりもよいのです。そのために苦しむことになっても、あなたの内に悔いは残らないことでしょう。」
 私は友人のアドバイスを真剣に受け止め、どのように日々実践すべきか考えています。


「有澤家の子供たち3」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

翻訳研修中の響、右端  「初めまして。有澤と申します」とご挨拶を差し上げたところ、「十四年前に祈祷会でお会いしました」と牧師先生からご指摘を受けて赤面の至り。タイのためにお祈りください、とお願いしておきながら、私自身は日本の教会のために祈っていなかったことを露呈した出来事。悔い改め、祈りを新たにさせていただきました。
 特に、地方教会のために祈る必要を覚えました。心込めて祈り深く育てた青年がバプテスマを受けて、翌週には東京へ就職するような例は、地方の教会にはいくらでもあるようです。
 七月北海道、八月末から宮城県の諸教会にお伺いしました。タイの山岳地方の少数民族教会のことを証しさせていただくと、教会員の首都圏流出ということでは共感を覚えていただけるよう。
 二〇〇九年から首都バンコクにもミェン族教会ができました。二〇〇二年に設立したチェンマイ市のミェン宣教教会と合わせて都会でのミェン族伝道のためにもお祈りくださると感謝。(達朗)
 先月、我家の下宿人の響(きょう)から「いつも私のためにお祈りをしてくださってありがとうございます。翻訳のための研修が守られ、信仰が成長しますように祈ってください」とメールが来た。
 私たちが帰国する半年前に託された下宿人だ。ミェン族でタイ名は「剣」。強い子になれとの両親の願い。日本名にすると「強」は女の子らしくないな、と思い「響」にした。賛美を歌うのが好き。
 十年ほど前、彼女の母親は刑務所で改心しクリスチャンとなり、毎日、娘の救いのために祈り始めた。その頃娘の響は悪夢にうなされるようになり、「キリスト」という名前を口で告白することが出来なかった。母が出所した頃、響を縛る悪霊の力はより強くなっていた。母親は響を聖書教師のW先生のところへ預けた。そこで数ヶ月かかかって悪霊の力から解放された響は熱心なクリスチャンになった。
 聖書を読み、学び、W師夫妻の教材作りを手伝うようになった。他のミェン族の二十代の若者より数段ミェン語の語彙が豊富。ことばにこだわる緻密さに、「この子は私たちがしている聖書教材作りの後継者になるかもしれない。有澤家に預けてみよう」とW師は思った。それで、響は我が家の七人兄弟(?)の次女、末っ子として共同生活に加わった。
 翻訳に関して納得できないと、兄貴分や主人にも恐い顔で食いついてくる強さがある。「アイスクリーム?」と誘うと、ニコニコ笑ってペラペラとしゃべりだす。
 「イエス様に救われた今、私は神様のために働きたい。翻訳の仕事が神様の思いであるなら、そうなりますように」と日々祈りつつ、タイ語からミェン語に聖書研究教材、信仰書翻訳作業に励んでいる響ちゃんです。(たまみ)

【祈りの課題】
1. 聖書教材の翻訳者になるべく研修中の響姉の技術と信仰の成長のため。ミェン族諸教会がこの働きの重要性を知るように。
2. 来年2月までの巡回報告の中で、有澤師夫妻の後継者になる人に出会うことができますように。


「宣教師魂!」
日本 佐味湖幸

お世話になった宣教師チームと日本人チーム 日本人チームのダンス  八月猛暑の日本を飛び出して、やはり暑く、雨季でじっとりのタイ、バンコクへ若者四人と三週間の短期宣教の旅に行ってきました。皆さんのお祈りを感謝します。
 この旅のハイライトは、現地で働く宣教チームとの出会いでした。彼らはブラジルの宣教団体からOMFへ協力宣教師として派遣されている方々で、バンコクのサマコーン地区で教会開拓の働きをされています。 リーダーはシルビオ&マルシア・オノウエ師夫妻、日系ブラジル人二世と三世のカップルです。他に、元プロのサッカー選手アドリアーノ(あの三浦カズ選手とも戦ったとか!)&ファビリア師夫妻、独身のテルシオ兄(二年の短期宣教ボランティア)とウルグアイ出身のミリアム師。会う前は明るすぎるラテンの乗りのチームだったらどうしよう‥‥と、少し不安だったのですが、会ってみると皆さん落ち着いた、謙遜で他の人を良く配慮できる、それでいてユーモアのセンスがいい、霊的に成熟したキリストの香りのする素晴らしい方々でした。独身の二人は、まだタイに来て二年ほどですが、その他の方々は十年前後、「この国に来て、私たちは変えられました」と、口を揃えて話しておられました。いつでもどこでも人々の必要に心を配り、囲いの外にいる羊のために祈り、探す姿に宣教師魂を見せられました。
子供集会にて ゾウにも乗ったぞう!  賛美にダンスにスキット、日本語クラスにハンディクラフト、そして日本料理クラスと賜物をフルに発揮して奉仕した日本人芸能(?)チーム!一人一人が、異文化の中で自分自身と神様にじっくり向き合う時を持たされました。自分の中の課題に取り組み出した者、将来の導きを確信した者、日本でやるべきことを示された者と収穫の多い旅でした。

日本人チームのスキット 【祈りの課題】
1. 8月のタイでの短期宣教プログラム、またマレーシアでの宣教大会の守りと祝福を感謝。参加者たちが、神様から教えられ、示されたことをそれぞれの地で生かしていくことができるように。さらに訓練され、整えられて長期の宣教師として導かれていく人が起こされるように。
2. 今年度後半の活動、短期宣教プログラムや祈りの旅などに神様の知恵と導きがあるように。来年1月21〜23日のニュージーランドにおける日本人キャンプで子供と中高生のためのプログラムの奉仕者を緊急募集します。御心の人が与えられるように。


「ヨナタンになる」
カンボジア 今村裕三、ひとみ

「平和の橋」セミナーにて小グループでの演習。  お祈りいただいたOMF国際本部で行われたリーダー研修会は、各国の参加者とのよい交わりを頂きつつ無事に終わりました。「変化への挑戦」というテーマでした。世の中の変化に対応した宣教の働き、神様の栄光を現すためにOMFが変化しなければならないことなどについて、管理技術も含めてリーダーとしてどのように主に仕えていくかということを学びました。
 また、その次の週には、マレーシアで行われた宣教大会にカンボジア人リーダーの一人、ソッチア兄と参加しました。ソッチア兄は初めての海外、パスポートを取得したり、航空チケットを買ったりと多くの犠牲を払っての参加でした。大会では、フロンティア(未開拓地の前線)はどこだろうかということで様々な主の働きが紹介され、御言葉の説き明かしにチャレンジを受けました。ソッチア兄も最初はマレーシアの経済発展に目を見張ったり、人の多さで気分が悪くなったりしましたが、次第に慣れてきて、多くの参加者と主にある交わりが与えられました。こんなに多くのアジア人のクリスチャンに会ったのも初めてのことですが、多くのセッションから宣教について、さらに目が開かれたようで、「ヨナタン」のように神様に忠実で、神様の働きを大胆かつ根気よく続けていきたいと決心をして会場を後にしました。(裕三)
ソッチア兄と宣教大会にて  夜中二時、ビチェット牧師の家に強盗が入り、コンピューター、お金が盗まれました。あまりの恐怖に男性であるビチェット師も身動きができなかったそうです。しかし何も抵抗しなかったので、誰も怪我はありませんでした。 ビチェット師の息子(一歳半)は泣き叫んだそうですが、強盗は黙らせるために子供に危害を加えませんでした。翌日、 ビチェット師はショックでまっすぐに歩けなかったそうです。
 この知らせを聞いた時、私は命が無事で良かったと思うと同時に、ビチェット師が牧師を続けられるだろうか?と少し不安に思いました。彼の妻の実家は結構裕福で、彼が学歴・英語力があるにも関わらず、安い給料で忙しい牧師でいることに不満を持っています。今回のことで更にプレッシャーがかかることは必至です。翌日、私は妻のリャッカナに会いに行きました。彼女は「怖かった。でも神様が守っていてくださっていると感じた」と話してくれました。 そしてビチェット師は三日後の礼拝説教で「困難な中でも主に従う」という箇所から語り、彼が一番励まされたようです。
 また八月末にもたれた第二回目のカンボジア教会交友会(FCC)主催の「平和の橋」セミナーでは、二十五人のFCC教会のリーダーが「聴くこと」について学びました。シェムリアップ教会から久しぶりに五人もの参加がありました。今年五月、シェムリアップ教会の牧師は井戸に入り中を洗おうとして、ガスを吸って倒れた義理の息子を助けるために井戸に入り、自分もガスを吸い亡くなりました。その悲しみがまだ癒えぬ中での参加です。彼らの証を聴いて私もまわりもとても励まされました。
 困難の中にあるFCCリーダー達が、さらに精錬された信仰を持つことができるようにお祈りください。(ひとみ)

【祈りの課題】
1. 裕三師は、10月4日から8日までOMF国際本部で持たれる宣教学会議に参加します。その中で一つのセッションを担当します。続く9日には、OMFの宣教研究のための委員会に参加します。よい学びとOMFの働きのために必要な宣教学的指針を発信していくことができますように。
2. 10月18日から23日まで、カンボジア で初めての説教セミナー(英国ジョン・ストット博士が創立した団体の後援)が持たれます。2年間に4回のセッションを持つ予定です。このセミナーを通して教会によく仕える説教者が育成されますように。

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