2005年3月号
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「宣教師全員集合!」
フィリピン ミンドロ島 佐味湖幸
「周りを見渡してみてください。こんなにも違った背景から、こんなにも賜物あふれる働き人がここに集められているのです!」とは、OMFフィリピン・ディレクター、リチャード・シュリット師の挨拶の言葉。
昨年末十二月二十八日から今年一月一日にかけて、フィリピンで働くOMF宣教師百二十名がミンダナオ島ダバオ市で一同に会し、御言葉に養われ、互いの近況報告を聞き、祈りあう時をもちました。ここ数年は、フィリピン人で、国内異文化宣教師(イスラム教徒や少数部族の中で働く宣教師)として、OMFフィリピンから派遣され、フィリピン国内で働く「サーブ・フィリピン」と呼ばれる宣教師たちも、このような修養会をともにするようになり、その数はどんどん増えています。前回四年前は、十人いなかったでしょうか、今回は三十数人。前回百二十人近くいた外国人宣教師は、今回九十人そこそこ。ここ数年のフィリピン教会の異文化宣教への急成長振りをここにも見て取れます。全体を見て、人種的(国籍はともかくとして)にアジア人が増えていることも、世界の宣教事情を反映しています。二十一世紀はアジア人が世界宣教を担うようになる、とよく聞きますが、日本の教会も経済面だけでなく、人材面でも、さらに貢献できればと願います。
さて、メッセージは比較的まだ若い独身のフィリピン人牧師から(ここら辺がOMFフィリピンらしい!別に若くても、著名でなくとも、いい器には語ってもらい、学ぶ!)いただきました。あまりに高尚な英語に、英語圏からきた宣教師たちも、ちょっと理解が困難であったところもあったようですが、要は「キリストに近づく」ということだったと思います。
小グループに分かれての分かち合い、祈りあいの時は、どのグループも非常に励まされたようです。私のグループは、一人が不参加で、計五名のうち、私を含め三人が病気持ち(!?)。異文化にいることのストレス、宣教最前線にいることからの霊的な攻撃、超まじめ(?)な気質など様々なことが原因に挙げられますが、分かち合いの中から、弱い器をあえて選び、用いられる神様の哀れみと計り知れない知恵を思わされ、励まされました。
【祈りの課題】
1.ピリ聖書教会は神様の導きによって昨年大きく成長しました。会員数、教会収入ともに20%成長が目標でしたが、40%成長を達成しました。さらに今年も、教会リーダーたち、会員たちが心を一つにし、へりくだって主の導きに従っていくように。
2.直接的な伝道の難しいイスラム教徒の中で働く宣教師たちのために。近年はフィリピン人国内宣教師たちがこの分野で多く活躍しています。
「脱出の道」
カンボジア プノンペン 菅家庄一郎、容子
二月は二人の若者が我が家に住みます。一人はフレーザー・ノーブリー兄というイギリス人で六ヶ月間学生伝道を手伝ってくれます。もう一人は古田大展兄で、私達の母教会・一麦教会から一ヶ月宣教視察にきてくれています。すでに、何人かのカンボジア人学生と友達になり、定期的に交わりをもってくれています。やはり「若者には若者が一番」のようです。この二人がプノンペンでよい経験が与えられるようにと願っています。(庄一郎)
一月中旬、子供たちが病気になりました。その週芽生は初めてのテストで、全然できず、毎日凍った顔で帰ってきました。結のほうは、前以上に幼稚園に行くのを嫌がるようになり、毎朝私は二人を何とか送りだすことと、帰ってきてもストレスが溜まって機嫌が悪い二人の相手を午後いっぱいするのに途方にくれていました。丁度、一人の女子学生サオポアンと暗誦聖句をしていたのが、「試練にあうときには脱出の道を備えてくださる」主の約束。私の中では、日本での学校、幼稚園生活を経験した後で、カンボジア人の中に入るように強いるのは厳しいのではないか。インターナショナルスクールに変われば、もっと宣教師の子供たちと友達になれるのではないか。また授業時間がもっと長いので、私が奉仕に専念できるのではないか、等様々な思いに心は騒いでいました。そこで握っていたのが、上記の約束と、主の導きでした。そんな中、二人の青年が一緒に住むことになりました。彼らの存在は、私達にとって、祝福となりました。ある晩、古田兄と主人と話している時、主人がこういいました。「今日モロコッちゃん(芽生のクラスの一番の仲良し。この日、彼女のお母さんが二人におそろいの洋服を作ってプレゼントしてくださった)が来てくれて芽生と遊んでいるのをみて、本当に嬉しかったよ。僕たちは宣教師としてカンボジア人を愛するために来たんだ。子供たちにとっても、カンボジア語を学び、カンボジア人の友達を持つことがどんなに大きな意味を持つかを思うんだ。」その言葉を聞きながら、私の心は軽く晴れていきました。神様の導きと脱出の道の光を見た思いでした。皆さんのお祈りに心から感謝しつつ。(容子)
【祈りの課題】
1.OMF学生伝道チームは2005年の前半で菅家師以外の宣教師はカンボジアからいなくなります。宣教師だけでなくカンボジア人でふさわしい助け手が与えられるようにお祈りください。
2.音楽学校の聖書研究会が、火曜日だけでなく金曜日にも集まろうということになりました。さらに救われる学生が起こされていきますように。また、祈りの力を学生達が経験しますように。
「静まれ」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
「いつになったら勉強は終わるの?」とお叱りを受けそうです。先月、祈りのリトリートに参加して反省しました。落ち着いて昨年を振り返ると、良いことでもすべきではなかったことがあります。一度に沢山のことを騒がしくしすぎました。
時間は神の創造の賜物。時間を区切ることは神の知恵。今はこのことに取り組み、終えたら次のことに取り掛かる、という秩序ある管理をしないことは私の愚かさ。
ミェン族で奉仕する宣教師のチーム会議で決まった私の今年の目標と責任は、一.八月までに論文を書き終えること。二.バージェス師の聖書翻訳で問題となっている個所をヘブル語・ギリシャ語に対照して調べ直し、年末の出版に間に合わせる。三.ミェン族のために辞書学の講習会を開催。四.キム・ムン語の学びを開始すること。順を追って一度に一つだけ行いたいと思います。
これらの責任のほか、個人生活においては、三年間皆様にお祈りいただいたスラチェート氏、プラーンさん、キチャポン君の明確な救いのため証と祈りを続けたいと思います。私たち夫婦がいつも聖霊に満たされているようにお祈りください。(達朗)
去る一月中旬、八日間のリトリートに夫婦で参加した。論文執筆で時間が取れない主人が、静まる時が必要と、積極的であった。
二〇〇一年にチェンマイへ来てから、きちんとした休養の時が持てずにいた。病気がちにもなり、担当医から二度ほどドクターストップがかかった。昨年暮れの定期健診で、絶対に休暇をすぐにとるよう忠告を受けた。このリトリートに行くことを告げると担当医は「リトリートは休暇とはいえないが、少なくとも仕事から離れて静まる時だから良いだろう」と喜んだ。
リトリートとは日常生活から退却した静想期間をもつこと。そこで「主のすばらしさを味わい、これを見つめよ。」(詩篇三十四篇八節)との聖書に沿ってじっくり八日間行った。神のみ前に憩った。「きちんと休養、休暇をとらないとだめだね。心身共にリフレッシュしないといけない。」「じゃあ今年はいつ休暇とれる?」二人で顔を見合わせて、論文が終わるまでは無理か、となった。八月には休暇が取れるように、主人の論文がそれまでに終わりますようにと祈る私である。(たまみ)
【祈りの課題】
1.ミェン宣教教会のセンツィン師の説教が向上するように。また会員の半数は学生なので、社会の不道徳な価値観に染まらない霊的な力が与えられるようにお祈りを。
2.スラチェート氏はキチャポン君と達朗師の論文執筆のため、来客の無い彼の自宅を提供し、プラーンさんは言語学部に研究助手として就職しました。三人ともクリスチャンの教授と学生達から離れたくない様子なので、今年こそ救いの年になるように。
「一人として滅びることなく」
カンボジア・プノンペン 今村裕三、ひとみ
一年目の語学試験に合格後、神様は一人の米国人クリスチャンが運営している診療所で働く機会を開いて下さいました。医者という賜物は神様に捧げてこの国にやってきたのですが、主の働きが広がるならと思い、引き受けました。
そこで初めて診た患者さんはプノンペンから三時間はかかる田舎から来た中年男性でした。話を伺ってみると、バイクタクシーで来たと言います。日本の道路と違い悪路三時間を病人がバイクに揺られて!カルテを見ると、過去に年に数回しか来院しておらず、症状は次第にひどくなっていました。どうして?と聞くと、ここまで通うバイクタクシー代(二ドル)がないとのこと。近くに病院はないの?と聞くと、あるけど病気は治らないと答えます。確かに田舎の医療レベルでは難しい症状でした。日本では自由に使える薬が、この国ではなかったり、あっても患者さんにとって高額すぎます。悩みながら安い薬(効果が弱い)を処方し、心の中でお祈りしました。三週間後、症状の改善を見ましたが、次は二ヶ月後にしか来られないと言われました。
このようにカンボジア社会に一歩入ってみて、診療所という社会の窓からカンボジアの人々の生活を少し垣間見た気がしました。厳しい生活のなかにあっても、確かにイエス・キリストは生きて働かれているのだと、この国の人々に伝えていきたいです。必要な言葉の能力が与えられるようにお祈り下さい。皆様のお祈りに感謝して。(裕三)
「ひとみ、ありがとう。そして、愛してる」現在訪問中のEさん(エイズで闘病中)が、なんと日本語で!私に言ってくれました。彼女は毎週一言ずつ日本語と韓国語を覚えました(一緒に行く宣教師は韓国人だからです)。現在、彼女は視力に障害が出始め聖書の字は小さくて読めません。そこで画用紙にヨハネの福音書三章十六節を大きく書いて読んでもらいました。彼女は二週間で暗記しました。特に「神は私たちを愛された」と「御子を信じるものが一人として滅びることなく」を力を込めて暗唱してくれます。今まで仏教などの神々を、怒らせないことに気を使ってきた彼女にとって、「神が私を愛している」というのは驚きだったようです。神に愛されることが当たり前になりつつあった私にとっても、彼女と共に「本当に神に愛されているのだ!」と共感できたことはとても嬉しいことでした。もうすぐ死んでしまうと思っていたEさんですが、最近、少し元気になってきました。また、彼女は変わった!神様を信じている!と感じます。しかし、痛みや不快感との戦いが今でも大変なようです。彼女が大きな声で聖書の言葉を読むので、家族も近所の人も聞いています。闘病中の彼女は家族や周りの人にとって、我がままで扱いにくい人だったようです。(今は以前より少しはましなようですが‥‥?)彼女が神様のことをより知ることができ、より喜ぶことができるように、また周りの人への証が守られるようにお祈り下さい。(ひとみ)
【祈りの課題】
1.言葉の学び半分、奉仕半分という生活の中で、集中して第二段階の言葉の学びができるように。また、与えられている奉仕が祝福されるように。
2.昨年からベトナム中央高原から迫害によりカンボジアに亡命してくる人(少数民族、多くはクリスチャン)が増えています。それにともないカンボジア国内でも様々な問題が起こっています。ベトナム、特に少数民族のクリスチャンたちの生活のために。
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