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2011年4月号  page1  page2


「異国で主と出会って −ディアスポラ伝道の働き−」

海外宣教の場は私達の家のすぐ前まで来ているのです。(写真の人物と本文は関係ありません) 神を見出した無神論者
 中国出身のジョーさんが、ディアスポラ伝道の働きをしているOMF宣教師のメル師と出会ったのは、英国で学びを始めて一年目の時でした。二人は毎週土曜日に聖書の学びを始め、二、三週間が過ぎた頃、ジョーさんはメル師にこう言ったのです。「あなたが言っていることは全部真実だって思う。でもなぜか私の頭の中では、まるで壊れたテープレコーダーが回っているみたいに『神などいない、神などいない!』っていう声が聞こえてるのよね‥‥。」
 これは中国の無神論的教育が彼女の中に残した「遺産」です。しかしそれから数カ月の間ジョーさんは聖書を学び続け、教会にも来るようになり、聖霊が彼女の内で働かれ、彼女は主を信じたのです。
 その後大学での学びを始めるためジョーさんは他の町へ移ることになりましたが、出発の際、メル師は彼女から一枚のカードを受け取りました。その中には「真実の神さまを紹介して下さってありがとう。」と書いてあったのです。
 その後、ジョーさんは何千人ものサイバー警察官がメールやインターネットの使用を監視している中国に戻って行きました。彼女は母国でどのようにキリストのために生きるべきなのでしょうか?そして私達はどのようにして彼女と連絡を取り、決して変わることのない神の愛と恵みに信頼し続けるように、と励ませばよいのでしょうか?このジョーさんのように、異国でキリストを信じ、その後母国に戻っていく人々を、どのように事前に備えることができるでしょうか?
途方にくれるクリスチャン
 独身女性のナオミさんはイギリスに渡り、地元クリスチャンの家庭に滞在しながら、クリスチャン系の英語学校で学び始めました。日本では教会に行ったり聖書を読んだりしたこともなければ、クリスチャンに会ったことすらありませんでしたが、イギリスでは滞在先の家族に連れられて教会に行きました。
 日本人はお互いによく知り合うまでは、相手からの誘いを断ったり、本音を打ち明けることはめったにしないので、礼拝への出席も礼儀のつもりでした。しかし教会の人たちは親切で、ナオミさんはクリスチャンたちと一緒にいるのは楽しい、と感じました。キリスト教に初めて触れる人対象の聖書の学びにも誘われて、彼女は「イエス」と応じ、やがて洗礼を受けました。そして受洗からわずか二週間後に、彼女は日本に帰国したのです。
 ナオミさんは実家から近い教会へ行きました。イギリスで通った教会と似たような雰囲気を期待していたのですが、驚いたことに何もかもが全く違っていたのです。そこは小さな教会で、若い人も少なく、子供も二人しかいませんでした。賛美もスクリーンに映し出された歌詞を見るのではなく、皆下を向いて讃美歌集を見ながら歌っていました。
 教会で使われているクリスチャン特有の表現が理解できず、日本語の聖書を理解するのに苦労しました。牧師に自己紹介をすると、「ピアノは弾けますか?」「子供は好きですか?」と聞かれました。この教会はすぐにでも日曜学校の教師が必要だったのです。
 牧師は私のことをまだ何も知らないのに、私自身よりも私が教会のために何ができるかの方に関心を持っている‥‥。そう感じたナオミさんはショックを受けました。又、教会を出る時に彼女は一人の高齢の女性にそっと脇へ呼ばれ、注意を受けました。ナオミさんは牧師を名前で呼んでいたのです。これは欧米社会では当たり前のことですが、日本では失礼な言い方でした。
 ナオミさんは教会へ行きづらくなっています。イギリスにいた時よりも神様は遠く、彼女は見捨てられたように感じ、途方にくれています。あなたならナオミさんにどうアドバイスするでしょうか?
開き始めた心
 英国人クリスチャン達が開いている留学生のための英会話のコーナーは、いつもは静かで穏やかな雰囲気でした。しかし二、三年前、ジミーさんが来始めた時からは様子が一変したのです!
 イギリス人クリスチャン達と留学生達が囲むテーブルは、どこも楽しいおしゃべりで華やいでいました。しかしジミーさんがいるテーブルでは大声で議論が巻き起こります。話題が霊的なものになることに異論があったわけではありません。むしろ彼には言いたいことが山のようにあったのです!彼は「僕は信じない」、と強くはっきり公言していました。私達は彼を心が頑なな人と思わざるを得ませんでした。しかし、周りの人が絶えず愛と敬意、優しさをもって接するうちに、彼の態度は少しずつ変わっていきました。
 ジミーさんは会場に足を運び続け、何かをさらに求めているようでもありました。そんな彼に、私達の方も次第に好意を持つようになりました。やがて彼の妻も息子を連れて加わり、彼女は聞くこと全てに興味を示しました。
 やがて中国人教会と合同の休暇旅行プログラムの時期がやって来ました。ジミーさんは参加希望を出してきました。一週間議論づけ?しかも明らかにクリスチャン的なプログラムなのに彼が参加する?しかし彼を止めることはできませんでした!
 休暇中日が経つにつれてジミーさんの態度はやわらかく、静かになっていきました。又、彼が息子に話しかける口調も穏やかになり、態度がとてもやさしくなってきていることに周囲も気づきました。やがて中国へ帰国する前に、彼は私達にこう言いました。「いつか私達はクリスチャンになるでしょう。」
 今ジミーさんは出身町の町長になっていますが、今も私達と話をし、アドバイスを求めるために朝早く電話をくれます。まだクリスチャンではないものの、彼は変わりました。神は彼のイギリス滞在を用いてキリストに対してその心を開いて下さったのです。
ディアスポラと私
 神は私達に、海外で暮らす東アジア人達と友人になり福音を伝えるという、すばらしい特権を与えて下さいました。彼らの東アジアの母国にも、そして彼らの滞在先国にもOMFの働きがあることによって(現在OMFにはヨーロッパ諸国に二十二人、全世界規模では五十五人のディアスポラの働き人がいます)、西洋と東洋の距離は相当に近くなりました。英国在住の本土からの中国人の人数は十五万人、ドイツでは八万人という人数を含め、実に八千万人以上の東アジア人が外国に住んでいることを考えると、今や広大な宣教の畑は私達の家の前まで来ているのです。しかし、この状況はどの位続くでしょうか?
 東アジアの状況は刻々と変化しており、私達も東アジア人をディアスポラの働き人に紹介したり、帰国前の東アジア人を帰国先の国で働いているOMF宣教師に紹介するなど、今与えられている機会を活用しなければなりません。
ディアスポラ・チームの働きとは?
 東アジアに戻って来る人々が、母国で謙遜かつ誠実に周囲に福音を分かち合いつつ、キリストのうちに堅く立ち続けることができるよう備える働きです。そのために、福音を聞いたことがなく、母国では聞く機会がないであろう東アジアの人々に伝道しようとする個人・教会・団体を支える働きをします。
 住みなれた母国から離れて一人になると、人々は新しい考え方に心を開き、異国で自分達を喜んで歓迎するクリスチャンと、進んで友人になってくれます。外国で主を信じた人々はやがて帰国し、福音を分かち合い、地域に良い影響を与えることができるのです。
ディアスポラで何をするのか?
 ○帰国する人々の文化に合った弟子訓練をし、相談役となります。
 ○帰国したらどんな状況が待っているかを事前に知る手助けをし、それが生活と証にどのような意味を持つかをあらかじめ認識できるようにし、又、彼らがキリストに従い続け、信仰生活を継続していくために私達ができること全てを行ないます。
 帰国者には帰国前に訓練が必要です。それは彼らが母国でキリストを証しし、地元教会に仕えてキリストのからだを建て上げ、その教会が生き生きとした群れとなっていくことに貢献する者となるためです。そのために私達は、帰国前の東アジア人を導く立場にある個人や教会を訓練します。
 又、帰国者本人たちも母国で出会う異文化の人々に福音を伝えることによって、国境を越えた教会の一部であることの恵みを見出してほしいと願っています。
 友達になり、日々の必要に応え、みことばを伝え、又、みことばが深く根を下ろすよう導いていく―このような東アジア人への働きにあなたも加わって下さいませんか?


「イギリスから報告です」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江

ディアスポラ伝道部リーダーシップ・チーム。右よりペイン師、ミュラー師、ソーテバーグ師、ケンプ師と私  祈りの友のお祈りに支えられ、イギリスでの奉仕も二週間を過ぎ、残すところあと一週間となりました。湖水地方の大きな自然に包まれたクリスチャン修養会場で、ディアスポラ伝道部の会議を続けています。アフリカ在住の中国人を対象とする働き等、幾つかの大きな案件に関して話し合い、主の導きをいただくことができて感謝しています。お祈りをありがとうございます。
 会議に入る前に、ロンドン日本語教会(JCF)の牧師として奉仕しているヤング師夫妻、ケンブリッジで日本人伝道に従事するスティーブンス師夫妻を訪ねることができました。両師共に、OMFディアスポラ伝道部にあって、在外邦人伝道に携わる同労者。それぞれ主にある兄弟姉妹と共に、よき働きを進めておられる様子に御名を崇めました。
 ヤング師が奉仕するJCFと、もう一つ、ウィンブルドンの日本語集会で、帰国者セミナーを開かせていただきました。前者では間もなく受洗し、帰国する方、後者ではクリスチャンとなって、これから帰国しようとする婦人二名との交わりが与えられました。ケンブリッジでは、スティーブンス師が拠点とするロック・バプテスト教会の兄弟姉妹が日本を覚えるグループを作っており、月に一度会って祈りと学びの時を持っているということで、この会に合わせて帰国セミナーを開かせていただきました。かつて私達夫婦が奉仕していた教会で、私達の後の横田師夫妻、続いてウォーカー師夫妻、そして現在のスティーブンス師夫妻と、日本人伝道が続けられ、協力して下さるイギリス人兄姉がさらに増え、強化されている様子に主を称えました。ここでも、間もなく帰国する青年と会うことができました。もうちょっとで信仰告白に至りそうな方です。
 用いたテキストはJCFNによる「帰国者ワークブック1&2」です。ご自身へと召して下さった御方は、日本へとあなたを召しておられる。イギリスに来て経験したカルチャー・ショック、帰国して経験する逆カルチャー・ショック、これらを通して主はあなたを練り、キリストに似た者として下さる。帰国したら、なるべく早く主の家族を見つけるように、ずっと日本で信仰の戦いを続けている日本の兄弟姉妹からよく学ぶように。日本の教会の礼拝様式など、最初は違いに戸惑うかもしれないが、唯一変わらぬ御方とその御言葉を中心に据えるように。このような事柄をお伝えしました。今回出会った帰国者四人が、帰国後も主の体の四肢として、主キリストと共に歩み続けられるようにお祈りいただけると幸いです。

【祈りの課題】
1.3月上旬に行われた英国OMF宣教会議はディアスポラ伝道がテーマでした。これをきっかけとして、母国を離れて住む東アジア人に重荷を持つ器が起こされ、宣教地へと遣わされるように。
2.3月下旬に行われたライト・コンファレンス(帰国者大会)に参加した者達が、主に遣わされたそれぞれの持ち場立場で奉仕し、それを通して帰国後も主と教会に繋がり続ける帰国者が一人でも多く起こされるように。


「こっそり祈る?醍醐味」
カンボジア 小川文子

祈り始めた7名のキーパーソンたち  春めいてきた頃と存じますが、いかがお過ごしでしょうか。こちらは夏めいてきて、停電の折には充電式扇風機とマンゴーで暑さを凌いでいます。いつも尊いお祈りをありがとうございます。ニャックルアンで主の働き、皆様の祈りの実を見ることができ、心から主を崇めています。
 「チャーチ・プランティング・ムーブメント(教会開拓運動)」の学びを通し、ニャックルアン教会から「小さな集会」が五ヵ所で始まることをチームで祈り始めました。でも宣教師チームがこの幻(ビジョン)を提示して「こうしましょう」と言うのではなく、教会が主体的に幻を受けていくことを祈って、特に公にはしないできました。祈り始めたのが二月初め。本国の皆様にも祈って頂き、教会にも「失われた魂のために祈りたい人は共に祈りましょう」と招いたところ、七名が呼びかけに応えてくれました。しかも集まってみると、それぞれがすでに家庭や地域での集まりの幻を持っていて、それを熱く語り始めるではありませんか。それ以外のところでも、三人の男性がそれぞれ小さな集会を始めました。これも彼らの中から主体的に始まったことで、あまりにも祈っている幻にぴったりで驚きです。一つは「求道者として礼拝に来ている中学校教師四、五名と聖書の学びを」という心を起こされたビボル兄によるもの。もう一つはオムホン長老が近所の未洗礼の方々を集めて始めた洗礼準備会。もう一つは以前からお祈り頂いているブンニー兄が、ほとんど休む暇もなく働きながらも「状況的に日曜礼拝に行けない近所の方々のためにも」と夜に家庭で礼拝を始めたものです。
お祈りに感謝。ブンニー兄の妻カンニャー姉は出稼ぎに行かずにすんでいます  伝道は本質的に祈りによる働きだということをつくづく感じさせられます。なおこの祈りに加わって祈って下さる方を求めています!心から感謝しつつ。

【祈りの課題】
1.今まで六村からの子供達を連れて来て子供集会をしていましたが、今後六村に行って子供の集会をすることになりました。よい場所が与えられますように。ここからさらに六村地域での働きが広がっていきますように。
2.祈りの炎がますます大きくなり、近隣5ヶ所でクリスチャンによる小さな集会が生まれますように。祈り始めた7名と、集会を始めた3名の兄弟姉妹に、他の人々を導くために必要な訓練と備えがしっかりとなされますように。その訓練に携わる宣教師たちに知恵が与えられますように。


「ミェン族であることの価値」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

伊江島の寒緋桜をバックに  姉スーザンのように美しくなりたい! そう思っていたルーシーにアスランは言います。「おまえは自分の価値を疑ったね。自分自身であることから逃げてはいけないよ。」『ナルニア国物語』第三作の一場面ですね。C.S.ルイスも牧師や神学者として生きることはできたでしょうが、神様から与えられた文学者としての賜物を用いて自分自身を生きました。
 ミェン族はタイ人に劣等感を持っていて、それを隠すため優越的に振舞います。本心と行動の不一致が、ミェン族クリスチャン未成熟の原因、また伝道者の失敗の理由である場合があります。
 しかし十年位前から、自分に与えられた価値に目覚めるミェン族青年たちが現れ始めました。四月十一日〜十四日に行われるミェン族青年キャンプの主題にそのことが表れています。「スペシャル ワン」(特別な人)というテーマで神の御言葉を聞きます。私はワークショップでミェン族の歴史・言語、また宣教における役割について語るように依頼を受けました。ここに青年役員たちの成長を見ることができ、主に感謝しました。このテーマは二十歳〜三十歳代前半の役員たちが、十代のミェン族へ教えたいことなのです。タイ国民であると同時にミェン族キリスト者であることの価値と使命の自覚が十代〜三十代の人々に芽生え始めているのです。
 神様がミェン族として生まれさせ、そこからキリストを知るように召し、ミェン族宣教のために使命をお与えになったことを深く知るキャンプになりますように。(達朗)
 四月二日は我家の居候富夫兄(タナコーン)の結婚式。新婦はラフ族、新郎はミェン族だ。二人はパヤオ聖書神学校で知り合った。互いの母語は全く異なるが神学校はタイ語による教育。二人の意思の疎通はタイ語による。
 結婚後の予定は、私達が第二期に住んだパヤオ県のルワムジット村(ジェムエン師の故郷)に住み、そこから二十数キロ離れたミェン族の村々への開拓伝道を進めること。ミェン族教会協議会は富夫師夫妻を派遣することを検討している。そこは私達が始めた家庭集会で、今はチェンマイ・ミェン宣教教会のジェムエン牧師とオム夫人に引き継がれ、遠距離から訪問している地域なので、良い決定がなされるよう祈る。
 富夫師の幻は村にミェン語による幼稚園、更には小学校を設立し、村民がミェン語の読み書きができるようになり、聖書に親しむことが出来るように、そして神の子供達が増えることだ。
 新しい環境に入る新郎新婦、特にミェン族の村で生活を始める新妻スィリナン夫人のために祈る。異文化結婚の先輩であるオム牧師夫人や、他部族に嫁いで行ったラフ族の教職夫人達から良い助けが得られるようにと祈る。(たまみ)

【祈りの課題】
1.タイ・ウィクリフ聖書翻訳協会で識字教育者になるためのインターン期間を終えたタナコーン兄(富夫)が4月2日、ラフ族の女性と結婚します。その後、奥地の村へ識字教育を使いながら開拓伝道を始めるので導きのため。奥さんになる人がミェン語をしっかり習得するようにお祈りを。有澤師が結婚式の説教をタイ語でしますので準備のため。
2.4月11日〜14日、ミェン族青年キャンプの奉仕者のためお祈り下さい。3回のワークショップと説教1回を有澤師が担当します。テーマは「スペシャル・ワン―使命を受けたミェン族」。信仰決心者と献身者が多くおこされるように。

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