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2010年6月号  page1  page2


「沈黙の世界から −中国の聴覚障害の人々のために−」

皆で遊びに出かけました  皆さんに中国のある人々のことをお伝えしたいと思います。私にとってとても大切な人達なのですが、皆さんが多分お聞きになったことがないであろう人達です。その人口は二千百万人で、独自の言葉と文化を持っています。どんな人たちのことだと思われますか?彼らは聴覚障害を持つ人々です。
 四年前、私は中国語の手話を習い始め、ボランティアの英語教師として聾唖学校で働き始めました。音が聞こえず、話せない人たちにとって、英語を学ぶのがいかに大変かは想像に難くありません。補聴器を持っている人達もほんのわずかにすぎないのです。幸いなことに学校もそのことを理解してくれ、今度は私に生徒達の視野を広げるためにということで、英語圏文化について教えてほしいと依頼してきました。授業の中でイースターやクリスマスなどについても話すことになるので、私は喜んで引き受けました。
 中国語の手話は一九四九年から大きく発展し、共産主義の影響も大きく受けています。例えば授業でイースターについて語ろうとした時、私は手話の中にクリスチャン用語がほんのわずかしかないことに気づきました。
 そのため、クリスマスについて語る時には、生徒たちに他の国々で使われている「イエス様」を表わす手話の形を教えることにしました。これは中指でもう片方の手のひらの中央に触れるというもので、イエス様を十字架につけた釘を表わしています。
 十五人の生徒たちが何度も何度も「イエス様」と手話や音声練習を繰り返している様には胸が熱くなりました。やがて生徒の一人が手を挙げてこう質問してきました。「なぜこれがイエス様を示す形なのですか?」私が答える前に、他の生徒が手を挙げました。「それってイースターについて習ったことと似てますよね。」次に続く彼の答は完璧でした。「イエス様が僕たちを救うために十字架にかかったからですよね。」このように、手話について私が好きなことの一つは、一つの動作で深い意味を表すことができることです。
 ともあれ、中国の聴覚障害者の状況を少しでも理解していただくために、私の生徒を二、三人ご紹介したいと思います。
ネーサン
 ネーサンは生まれた時は全く聴覚に問題がなかったのですが、二歳の時に病気で高熱を出しました。両親が病院に連れて行き、医者がネーサンに抗生物質の注射を打ちました。熱は下がりましたが、両親が驚いたことに、それ以来ネーサンはほとんど音に反応しなくなってしまったのです(都市部の若い聴覚障害者の三十パーセントは、抗生物質の注射が原因で聴覚を失っています)。両親は多くの時間とお金をかけて中国全土をまわり、様々な医者に息子を診せ、あらゆる薬や治療法を試しました。支援団体もなく、病院からのアドバイスもほとんど受けられず、そのような中で「これが効きますよ」と高額な「治療」をすすめてくる多くの人々…聴覚障害の子供を持つ親たちは、皆同じようなつらい経験をします。
 ついに息子の聴覚が回復しないと知った両親は、それなら息子が障害者として最善の人生を歩めるように、出来る限りの支援をすることにしました。今日、二十四歳になったネーサンは地元の美術大学に通っています。聴覚障害者専門の授業を提供できる大学は中国でもまだほんのわずかしかなく、その多くが芸術部門です。
ヨセフ君 ヨセフ
 ヨセフは二〇〇七年に聴覚障害者専門学校を卒業しました。本当は町に残って就職したかったのですが、町で非行化した聴覚障害者のグループによって犯罪に巻き込まれることを恐れた父親が、彼に村に戻るよう強く勧めたのです。ヨセフの父親は地元の共産党のリーダーで、息子が地元で働けるよう様々な所にあたりましたが、今のところまだ就職は果たせていません。多くの人々が就職先を探している中、障害を持つ人を受け入れる会社はほとんどないのです。
 ヨセフの住む村には多くのクリスチャンがいます。その人たちが彼を支えてくれたらどんなにすばらしいことでしょう。外国人のクリスチャンたちが、他の省で聴覚障害者の人々に職業訓練をし、就職先を斡旋しています。そこでは彼らの交わり会も活発です。ヨセフの村でも同じことができないでしょうか?
 現在、家族以外誰も手話を使える人が周囲におらず、会話からもしょっちゅう取り残されてしまうヨセフは、かなり寂しさを感じています。毎晩彼は隣家へ行き、他の青年たちが皆でコンピューター・ゲームに興じている間、彼はそこのコンピューターを借りてウェブカムを使いながらかつてのクラスメートたちとチャットをします。
ジェイド
 ジェイドはクリスチャン人口が大きい都市出身の女性で、母親は熱心なクリスチャンです。彼女は私に「母親が私に洗礼を受けさせたの。」と教えてくれました。しかし、信者たちが「皆でパンと飲み物を食した」儀式の場にいた時、彼女には何が起こっているのかわかりませんでした。彼女は私に「なぜあなたはクリスチャンなの?」そして「私もクリスチャンになるべきだと思う?」とも尋ねてきました。母親が娘にクリスチャンになるよう望んでいること、教会にも一緒に行くことはうれしいことですが、ジェイドにいろんなことが説明されていないことは悲しく思いました。
 主な問題は聴覚障害者であるために、ジェイドは教会で教えられていることの多くを聞き逃していることです。唇の動きを読む方法をもってしても、礼拝の五十パーセントほどを理解できればよい方です。母親も含め周囲の誰も手話ができないため、誰も彼女が十分に理解できる方法で説明できないのです。

クリスマスを祝って  中国の教師は多くの場合終身雇用で、生涯一つの学校で教え続けます。そのためもし教師がクリスチャンになったなら、生徒たちに与える影響も長く深くなる可能性が高いのです。さらにもし聴覚障害者専門学校の先生が教会や交わり会に関わるならば、教会と障害者のコミュニティーの間の架け橋として大きな働きができることでしょう。
 未信者の同僚たちの中にも、みことばに心が開かれている人たちがいます。その中の一人は重病の叔母さんが、クリスチャンたちに祈ってもらったことで回復に向かったということです。このことと、その後一緒に教会の青年礼拝に行ったことが、その同僚に大きな影響を与えました。
 後日、彼女は私に「礼拝に行ってから三日間、深い平安を感じていた。教会を『特別な場所』と感じた。」と言ってくれました。
 中国の「聴覚障害者の世界」はチャレンジとチャンスに富んだ世界でもあるのです。
お祈りください
・ 医療・教育・訓練分野から、もっと多くの短期・長期の働き人が中国の聴覚障害者のために起こされるように。
・ 礼拝を完全に手話通訳できる聴覚障害者用の教会、もしくは手話通訳に対応できる教会が起こされるように。
・ 聴覚障害者専門学校の教師や手話通訳をする生徒たちが、福音に対して心を開き、教会と障害者コミュニティー間の架け橋となれるように。
・ パラリンピックによって、障害者の能力に対する中国人の認識が変化してきました。雇用などの様々な権利が健常者と同じレベルに改善されていくように、又、障害者に対する社会の認識や態度も改善され続けるように。
・ 障害者やその家族たちに愛を示すことにおいて、社会の中でクリスチャンと教会が率先して行動できるように。


「祈りの友を天に送り」
日本 木下理恵子

四月のある日、十年以上前、当時台湾にいた私のために、台湾のためにお祈りしたいと海外宣教祈祷会を始めて下さったご夫妻の、ご主人松岡兄が天に召されました。そしてその翌日、その祈祷会に参加していて下さった玉井姉妹が、天に召されました。一つの教会で、一週間の内に四回の前夜式、告別式があった事です。こうしたご葬儀に出席しながら、祈りの友を天に送る事の大きさを思いました。考えてみれば、帰国して巡回報告でお伺いさせて頂く時にお会いするのがほとんどで、そんなにしょっちゅうお交わりできた訳ではないのですが、何かぽっかり穴が開いたような、何とも言えない寂しさ、喪失感を覚えました。私の見ていない所で祈っていて下さったこの方々の祈りの力、祈りの覆いで、自分や活水泉がどれだけ守られ、助けられてきた事でしょうか。私たちのために祈って下さったから、祈られたから得られた恵みを思いました。そしてこの様に大切な方々を造り、祈り手として与えて下さった主に、心より感謝を捧げた事です。
この兄姉、以前名前を挙げて祈って下さった、先に天に帰った活水泉の仲間と、天国でお会いしたかなと、空を見上げながら思っています。兄姉のご遺族、また立て続けに二人を天に送られた教会のためにもお祈り下さい。
千葉在住の中国人P姉妹、週に一度日本人に中国語を教えるようになりました。皆さんにとても喜ばれ、生徒も増えているようです。そしてそこでも伝道しています。姉妹と折々一緒に聖書研究をしていますが、前回彼女は一人の、日本人生徒の求道者を連れて来ました。いつもは中国語で思いっきりおしゃべりし、中国語で聖書の学びなのですが、今回はどうしても日本語。彼女は個人的には物足りず、もっと話したかったでしょうが、でも伝道したいと言う思いがそれよりも勝っていた事がなんとも微笑ましく、主に感謝でした。主も彼女のその思いをしっかり受け止めて下さった事でしょう。この日本人の生徒さん、聖書やキリスト教に対する疑問、質問でいっぱいです。彼がスッと主を信じることが出来ますように、主がこの姉妹を用いて、実を実らせて下さるようお祈り下さい。
皆様のいつものお祈り、どうもありがとうございます。改めて、ずっと祈っていて下さる皆様の、その存在の大きさ、大切さを思い、感謝でいっぱいです。そして皆様の故に心より主を崇め、感謝しています。

【祈りの課題】
1. 祈りの友が起こされ、与えられていることに感謝。そのお一人一人に感謝。既に天に帰られた方々も何人かおられます。新しい祈りの友が起こされ、与えられるように。青年たちからも祈り手が起こされるように。
2. 千葉在住の中国人P姉妹、伝道熱心で感謝。彼女を通して救われる人が起こされるように。彼女の中国語教室の日本人生徒も救われるように。


「楽しく教会に通っています」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江

OMFディアスポラ伝道部のウィットボイ部長が五月いっぱいで任を終え、キャロリン・ケンプ新部長と交代します。五月の祈祷課題に挙げさせていただきました。祈っていただきありがとうございました。四月下旬にケンプ師は急遽入院され、これを書いている時点では手術を待っているところです。五月の予定は大幅に変更することになりました。その中でもケンプ師は主を仰ぎ、主の御心を受けとめています。この文章が祈りの友の皆さんのお手許に届く頃には、何らかの結果が出ていることと思います。部長交代の引継はかなり遅れてしまいましたので、その調整のためにお祈りいただけると感謝です。
昨年十二月に訪れたニュージーランドのC姉妹から嬉しいメールがありました。かの地でクリスチャンとなり北関東に帰国した姉妹に教会紹介をして欲しいと依頼され、帰国者受け皿の働きを進めているS姉妹を紹介しました。「クリスチャンの友人もたくさんできて楽しく教会に通っていると、当人から報告がありました。」と喜んでおられるC姉妹。その喜びは、かの地で接した兄姉にも、S姉妹とその周りの方々にも、私にも広がります。このように神の家族をつなげ、用い、喜びを与えて下さる主を賛美します。一人の魂のために現地でも、帰国した先でも、導き手となる働き人がさらに起こされるよう、収穫の主に祈っています。
「帰国者クリスチャンを理解するために」という、JCFNの協力を得て私が書きました小冊子からの抜粋を以前に何回かお届けしました。その続きを少しご覧いただけると感謝です。『<帰国者を迎え導く際のポイント> 海外で生まれて初めてクリスチャンという人に出会った…といった場合は、日本での教会・キリスト教経験は皆無であることがわかりますので、そのつもりで導く必要があります。…現地教会の場合、ゲスト(お客さん)扱いがほとんどです。奉仕に関わったことは無いことになりますし、「奉仕とは何か」がまったく理解できていないケースも少なくありません。
日本語教会の場合は、…少ない人数で教会を支える必要から、受洗後まもなくから(場合によっては求道中でも)積極的に奉仕している場合があります。
日本語教会や、教会まで組織ができていなくても、日本人クリスチャンが家庭集会を行なっているような交わりで救われた場合は、家庭集会のようなウイークデイにもたれる小さな交わりで活発に奉仕していたことも考えられます。そのような点も確認されると良いでしょう。』

【祈りの課題】
1. キャロリン・ケンプ師がディアスポラ伝道部の新部長として6月1日に着任する予定です。ウィットボイ部長の下で奉仕してきたリーダーシップ・チーム4名も、新チームが立てられる必要があります。主の導きと知恵をいただいて新体制が歩み出せますように。
2. ロンドンJCF(日本語教会)に着任したヤング宣教師の牧会伝道の働きが祝されるように。息子さん2人と共に一家の歩みの上に主の導きと守りをお祈り下さい。


「知らなかったこと」
カンボジア 小川文子

カンボジア式ドレスアップ 永遠の命の種が育ちますように・・・ 皆様お変わりありませんか。いつもお祈り本当に有難うございます!支えられているということの意味を、人生で一番くらいに深く実感しているこの頃です。
来るまで知らなかったなぁということが色々あります。例えば、カンボジアといっても実に多様な土地柄があるということ。少数民族の住む山岳地帯ラタナキリ、ベトナム人も多い開けたニャックルアン、霊的な闇の濃い赤土のスヌール…等。それゆえ同じ宣教師でも、働きの様相は全然違っていたりすること。クメール語に加えてもう一つの言語を学ぶ場合もあったり(!)。「全ての村に教会を」というビジョンがあること。「PとP」(プロとパイオニア=専門家か開拓精神のある人)が求められていること。私は明らかに後者なのでしょうが、そんなことも来るまで知らなかったことです。朝早く夜早いこと。日が暮れてからの帰宅や外出は困難なこと。ネットが使えること。生活の中に「美」が必要だということ。ちょっと意外ではありませんか?「そんなことも知らないで宣教地に行く人もいるんだ…」と思う方もおられるかもしれませんが、それもまた意外な事実。そんな意外な現場を見に、皆さんが来て下さるのも(二年目以降は可能になりますので)楽しみにしています。
スラム街での働き人たち 雨期になりました
【祈りの課題】
1. 6月以降は一時帰国する人の入れ替わりなどでチーム編成が大きく変わります。それぞれの場にふさわしい人が与えられるように。特に学生伝道に、継続的に加わる宣教師またはカンボジア人の働き人が与えられるように。
2. 6月21日から25日まで行なわれるOMFカンボジアチームの年会のために。よい振り返りの時がもてますように。

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